横田滋さん死去3年 早紀江さん「安らかに見守っていてくれると信じ」

滋さんの遺影と早紀江さん=5月30日、川崎市川崎区

 北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の父滋さんの死去から6月5日で3年を迎える。共に拉致問題解決に向け歩んできた母早紀江さん(87)=川崎市川崎区=は「安らかに見守っていてくれることを確信している」と思いを語った。2002年と04年の日朝首脳会談から目立った進展はなく、早紀江さんは拉致問題の早期解決を訴え続けている。

 5月30日、早紀江さんは滋さんの命日を前に報道陣の取材に応じた。自宅のリビングには滋さんの遺影を飾り、支援者が手作りした滋さんの人形も置いてあるという。毎朝、温かい茶をいれて祈り、話しかける。

 「本当に進歩しない。どうしたらいいんだろうね。でも頑張っているからね」

 「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の初代代表を務めた滋さんは、早紀江さんと救出活動の先頭に立ち、全国各地で1400回以上も講演するなどして帰国の実現に向け奔走してきた。早紀江さんは「全身全霊でやり遂げたと思う。とても感謝している」としのんだ。

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