サツマイモ基腐病で順守事項 悪質なら過料、家庭菜園も 茨城県

【いばらき】茨城県は全国で初めて、改正植物防疫法に基づく「順守事項」をサツマイモ基腐病で定めた。家庭菜園での栽培を含む全ての農業者が対象。悪質な場合には最大30万円の過料を科す。地域経済の基幹作物を襲う同病のまん延防止を徹底する構えだ。

4月1日に施行された改正法は、化学農薬だけに依存せず、発生予防の取り組みを重視する「総合防除」の推進が目的。各都道府県が地域で発生リスクの高い病害虫を対象に、具体的な取り組みを計画に定める。

茨城県では今回、国が指定する病害虫157種のうち140種を選定。「茨城県総合防除計画」を策定した。個別の品目としては、イチゴでハダニ類、ピーマンでアザミウマ類、梨で黒星病などについて総合防除の取り組みを定めた。

このうち、産出額が全国一のサツマイモ基腐病については別途、影響の大きさを勘案して、30万円以下の過料が求められることもある順守事項を定めた。

順守事項は①県が実施する調査に協力する②発生を確認した場合は、発病株を抜き取り圃場(ほじょう)外に持ち出す③発生圃場では2年間サツマイモを作付けしない④発生圃場から種芋を採取しない――など。

順守事項に沿った防除が行われない場合、県は発生源の農業者に対し勧告、命令の措置を取る。それでも従わない場合には、改正法の規定に従い、最大30万円の過料が科される。

県内では昨年5月31日を最後に、同病の発生は確認されていない。

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