世界中を笑顔に…おなかの中から親しんだバレエ 踊ると幸せ「一番落ち着く」 YAGP2位 高橋杏さん

若手バレエダンサーの登竜門の国際コンクールで世界2位を受賞した高橋杏さん=東京都足立区のバレエ教室「Flora Ballet(フローラ バレエ)」

 若手バレエダンサーの登竜門の一つとされる国際コンクール「ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)」で、世界2位を受賞した埼玉県さいたま市の小学6年高橋杏さん(11)。笑顔で「とってもうれしい」と大会を振り返った。

 15~18歳対象のローザンヌ国際バレエコンクールと並ぶコンテストで、レベルが高いという。昨年10月の国内予選で、クラシック、コンテンポラリーのいずれも1位となり、今年4月に開催された米国の本大会に出場。9~11歳のクラシック部門で女性2位に選ばれた。最優秀賞のホープ・アワードを目指していただけに、悔しさが残っている。「来年も出場できたら、ホープ・アワードを目指したい」

 杏さんが生まれたのは、母親の香織さんがオーストリア・バレエ・カンパニー東京で活躍していた時。レッスンや海外ツアーも一緒で、他のメンバーが面倒をみてくれたという。杏さんは3歳の頃から本格的にバレエを始め、香織さんが東京都足立区で開いているバレエ教室に通ってレッスンを繰り返している。

 YAGPの活躍で、ドイツのベルリン国立バレエ学校のほか、イタリアやカナダのバレエ学校から留学の誘いを受けている。一人娘を指導する香織さんは「年齢が低いので、周りと相談して決めたい」。母子ともに離れる寂しい気持ちがあり、杏さんは「すごく迷っている」と話した。

 踊ることがとにかく大好き。「音楽が流れると、マイワールドに入り、バレエの登場人物になり切る。踊るとうれしくなるし、幸せだし、一番落ち着く」。練習を苦にしない。「ちょっと大変と思う時もあるけど、みんなを幸せにできると考えると、全然へっちゃら」とにこやかに語る。

 将来の夢ははっきりしている。「海外にも行ってみたいし、日本でも活躍したい。みんなを笑顔にして、世界中に笑顔があふれるように、楽しく演技ができるバレエダンサーになりたい」

© 株式会社埼玉新聞社