きょうから6月

 いつもの年だと、爽やかな5月の続きをもう少し先まで-と願いながらカレンダーを1枚進めていた気がするのだが、今年は勝手が違う。本県など九州北部は今週の月曜に早々と梅雨入りして迎えた6月1日▲今年の梅雨前線は、じわじわ北上してくるのではなく、まるでにょきにょき生えてきたか、線でも引いたかのように大陸から伸びてきて、いきなり日本列島の上空に停滞している。例年より梅雨入りが早いのはそのためらしい▲では、前線のでき方がそうなったのはなぜだろう。いろいろ探してみたが、残念ながら決定的な解説にはたどり着けなかった。もちろん、その解説を理科の苦手な当方がきちんと理解できるかどうか、の問題は残るが▲この国は亜熱帯化が進んでいるのかもしれない、と思わずにいられない「ゲリラ豪雨」や、毎年のように襲う“数十年に一度”クラスの雨や風や酷暑…教科書で教わらなかった気象現象が年ごとに増える▲そういえば、昨年の梅雨は「観測史上最速で明けた」といったん発表され、後になって日付が大幅に後方修正された。最近の読みにくい気候は専門家泣かせでもある▲東から西へ-と、これもやや不思議な進路で進んできた台風2号がゆっくりと北上している。適切な緊張感を要求され続ける季節が始まった。(智)

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