2025年東京開催「デフリンピック」金メダル目指すバレー女子

国際オリンピック委員会が「オリンピック」という名称の使用を許可している国際競技大会が4つあることをご存じでしょうか。オリンピックにパラリンピック、そして知的障害のある人が出場するスペシャルオリンピックス、そして今回、私たちが注目したのが聴覚障害のある人が出場するデフリンピックです。このデフリンピックが再来年、初めて東京で開催されます。

東京での大会でメダルが期待されている競技のひとつが、デフバレーボール女子です。2013年の大会では銀メダル、2017年の大会では金メダルを獲得。ただ、2連覇が期待された前回大会では日本選手団がコロナに感染のため全ての競技で棄権、メダル獲得とはなりませんでした。今回、地元大会での金メダルを目指して練習を続ける日本代表チームを小松キャスターが取材しました。

2017年、トルコで開かれたデフリンピックで女子バレー日本代表が世界の頂点に輝きました。あれから6年。

小松キャスター:「デフバレーボール女子日本代表の強化合宿にやってきました。もうすでに練習が始まっているようです」

今年、調布市にオープンしたばかりの東京都パラスポーツトレーニングセンターに全国から集結した日本代表候補選手たち。

小松キャスター:「練習少し見てみたんですけど、声がない分ボールの弾む音とか打つ音、あとはシューズの音が体育館に響き渡っています」

デフバレーは、通常のバレーボールとルールに違いはありません。音が聞こえない選手たちは声で指示ができないため試合中、アイコンタクトでコミュニケーションをとってプレーを行います。また、参加している選手の障害の度合に差があり、補聴器を使えば日常の会話に困らない選手もいれば、手話でのコミュニケーションが中心の選手などバラバラです。

梅本選手:「手話の方がバレーがしやすいと思っているので、自分らしく行動できるという点では手話がいいなと思います」

平岡選手:「自分がデフバレーを始めたときは補聴器を外してやったんですけど、その時は音が無いっていうのが怖かったっていうのもありますし、初めて取った時は手話も分からなかい状態だったので、今は手話もしっかり覚えて仲間とコミュニケーションを取るようにしていますね」

通常のバレーボール以上に、相手を見ながらの意思疎通が大事なデフバレー。副キャプテン平岡さんも、練習の合間もしっかり相手を見ながらコミュニケーションをはかります。

2年後に迫る東京でのデフリンピック。狩野美雪監督は、地元で開催される大会に選手たちが自信を持って臨めるように、厳しさを持って指導にあたっているといいます。

狩野監督:「競技者としてやるべきことっていうのはそんなに変わらないと思っていて、(障害があるから)だからいいよとはならない部分が多いので、高いレベルを求めるように意識はしています」

世界一を目指す選手たちは、普段どのような生活を送っているのか。平岡選手は普段、補聴器をつけ一般企業で働いています。平岡さんの勤める会社は、前回のブラジル大会で選手の自己負担分が30万円にもおよんだ際、社内で寄付を集めて送り出してくれました。

平岡選手の上司「ブラジル大会をYouTubeで見たくらいで、実際は観戦したことないので見てみたいよね。生で観戦したい」

平岡選手:「(生で観たいと話していますが?との質問に)仕事の時とは違ってびっくりするかもしれないですけど」

平岡選手は東京でデフリンピックが開催されることで、デフスポーツの存在を多くの人に知ってもらいたいといいます。

平岡選手:「東京デフリンピックに、たくさんの人に応援に来てもらいたいと思っています」

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