ガッツリ系から一新、カフェ系料理で女性の心つかめ 三田市役所の「キッピー食堂」再始動

木製の器を使った「本日のランチプレート」。ご飯などの器には三田青磁を使う=三田市役所

 激辛カレーやガッツリ系の揚げ物など「市役所の食堂らしくない」メニューが一部で話題を集めながら、一時休店していた「三田キッピー食堂」(兵庫県三田市三輪2)が、メニューを一新して営業を再開した。新たなコンセプトは「カフェ」。木製の器に盛り付けたランチプレートやサンドイッチ、ミックスジュースなどで女性客にもアピールし、生き残りを図る。(土井秀人)

 キッピー食堂は2020年2月にオープンし、森林整備などを手がける森口(同県宝塚市)が設立した会社が運営する。世界トップクラスの辛さの唐辛子を使った激辛カツカレーや、約300グラムの鶏肉を揚げた「ジャンボチキンカツ定食」、横浜発祥のこってり「家系ラーメン」などさまざまなオリジナルメニューを開発したが、経営は軌道に乗らず、23年3月末でいったん休店となった。

 オーナーの森口誠さん(68)は「(揚げ物などの)茶色い物が多いメニューが原因なのか、女性の来店が少なかった」とする。そこで、店名や内装はそのままでコンセプトを「食堂」から「カフェ」に変え、メニューも刷新した。

 「本日のランチプレート」(千円)では、焼いた木の器にメイン、サブ、サラダが載り、ご飯やパン、スープ、デザートが付く。3~4日ごとに内容を変えるといい、取材日はメインがスペイン風串焼きで、サブがコロッケだった。使用する野菜は旬で地場のものにこだわっている。

 また、サンドイッチ(350~450円)のパンは、宝塚市のパン店から毎日焼きたてを仕入れる。「ミックス」「たまご」などの定番のほか、メキシカンチリやイチゴの小倉クリームといった時々のメニューも用意する。

 もう一つの「柱」とするのが、タンメンだ。1カ月かけて開発したという麺は、「万人受けする平凡さ」が売りという卵麺で、夏場には冷やしタンメンも用意する。森口さんは「市民や職員に楽しんで食事をしてもらいたい。市役所の食堂は近隣市でも撤退が相次ぐが、これからも生き残れるメニューをつくっていきたい」とする。

 弁当(690円)の販売も。ランチの営業は午前11時~午後3時で、午前9時からはモーニングも行っている。土日、祝日休み。三田キッピー食堂TEL079.559.5505

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