出羽三山詣での初心者向け巡礼体験プログラム「はじめての出羽三山参り」の提供が5月から始まった。1泊2日の日程で宿坊に泊まり、夜の羽黒山の散策や、めい想体験を通して精神文化に触れる。合わせてホームページ(HP)も完成し、出羽三山や山伏、宿坊街の歴史や文化について分かりやすく解説している。
山伏修行プログラムをはじめとしたツアーの提供などを行う「株式会社めぐるん」(鶴岡市、加藤丈晴社長)が、観光庁の「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」としてプログラムとHPを作った。江戸時代には300以上あった宿坊が30軒ほどに減っており、次世代に残していきたいとの思いを込めている。
プログラムの提供は5月から始まり、28、29日には本年度第2回目が行われた。参加した首都圏の女性4人は宿坊・大進坊に宿泊。行衣を身にまとい、大進坊17代目当主で山伏の早坂一広さん(52)を先達(案内人)に初日夜は国宝・羽黒山五重塔の近くでめい想し、2日目の日中は山頂まで登った。
最終日の振り返りを終えた佐藤志保さん(45)=東京都東久留米市、自営業=は「雨の夜のめい想がとても良かった。頭が空っぽになる体験ができ、視界が開けた」と充実した表情を見せた。元小学校教員で今年3月に退職した湯本智恵子さん(66)=さいたま市=は「これまでの人生を見つめ直すことができ、次の人生に向けてエネルギーをもらった」と話した。
めぐるんの担当者は「他の宿坊とも連携しながら来年度も継続し、出羽三山全体の盛り上げにつなげていきたい」としている。対象は20歳以上で参加料は3万7千円。本年度は6月17、18日、10月14、15日と23、24日にも開催する。HPから申し込める。