「熱中症」対策におすすめの飲み物は? 専門家に聞く対策と対処法【みんなのハテナ】

Park KSBアプリに皆さんから寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。今回は「熱中症」に関するハテナです。

だんだんと夏の気配が近づくなか、注意が必要なのが、「熱中症」です。

2022年、高松市消防局の管内で熱中症と診断されたのは、5月が11人だったのに対して6月は63人でした。ちなみに7月が最も多く113人、8月が96人でした。

また、2022年の熱中症患者を発生場所別でみると…「住宅」が最も多く半数近くを占めました。住宅のうち、バルコニーや庭などの屋外で熱中症になったのは、わずか9%で、91%は住宅の中でした。

屋外だけでなく家の中でも注意が必要な熱中症。そこで最初の疑問は……。

「なぜ熱中症になるのでしょうか?」(倉敷市 あっちゃん 54歳)

(高松市 健康づくり推進課 主任保健師/作花美晴さん)
「人は汗をかくことで体の中の熱を外に逃がして体温調節をしています。ただ暑い環境下で汗をかき続けてしまうと体の外に熱が逃げなくなって熱中症になっていきます」

熱中症は「環境」「からだ」「行動」の3つの要因で引き起こされると考えられています。

そもそも人は暑くて体温が上がっても、汗をかくなどして熱を外に逃がして体温を調整しています。

しかし、「極端に暑い」「湿度が高い」などの『環境の要因』や「基礎疾患」「体調不良」などの『からだの要因』、「激しい運動」や「水分補給ができない」などの『行動の要因』、これらによって体温調整ができず体の中に熱がたまってしまう場合があります。これが「熱中症」です。

「熱中症の対策はありますか?」(総社市 キノリ 40歳)

(高松市 健康づくり推進課 主任保健師/作花美晴さん)
「まずは暑さを避けること。日差しが強い日は帽子をかぶったりとか傘を差していただいたりとか、日陰を選んで歩いていただくのもいいかなと」

また家の中では「室温が28℃」になるようにエアコンなどを活用してください。

さらに、熱中症対策として重要なのが「水分補給」です。

(高松市 健康づくり推進課 主任保健師/作花美晴さん)
「汗が出ていきますので水分に加えて『ミネラル』を取ることを意識してもらえたら」

作花さんがすすめる水分の取り方は、量は「1日あたり1.2リットル」が目安。ミネラルを一緒に取る必要があるため、「麦茶」が適しているということです。

スポーツドリンクでもミネラルを取れますが、糖分も多いため飲みすぎには注意してください。

(高松市 健康づくり推進課 主任保健師/作花美晴さん)
「暑さを感じてからのどが渇くまで少し間が空いていたりするので、のどの渇きを感じる前に飲んでいただくことが大事かなと」

このほか、極端に暑い日や体調が悪い日には「そもそも外出をしない」と判断するのも重要です。

「熱中症になった時の病院に行く目安や対処法はありますか?」(総社市 ギザギザハート 54歳)

(高松市消防局 消防防災課/一二三 淳 課長補佐)
「立ちくらみがする、めまいがする、いつも以上に汗が大量にでる、であったり、頭痛がひどいこともあります」

このような症状が出たら、すぐに近くの人や周りに助けを求めて涼しい場所に移動してください。また高松市消防局は、家で1人でいる時に症状が出たら迷わず119番通報をしてほしいと呼び掛けています。

もし周りの人が熱中症になったら、まずは涼しい場所に移動させてください。

そして、楽な姿勢をとらせた上で服を脱がせてうちわであおぐなど体の表面から熱が出るようにします。

また保冷材などの冷たいもので首の横や前、わきの下、足の付け根などを冷やすと効果的です。

(高松市消防局 消防防災課/一二三 淳 課長補佐)
「できるだけ体温を体の外に逃がすような、早め早めに対応して体を守っていただけたらと思います」

※病院に行くか迷ったら「#7899」の電話相談へ

熱中症による全国の死者は2022年までの5年間の平均で年間1295人でした。

5月30日、政府は熱中症で亡くなる人を2030年までに半減させることを目標とした計画を決めました。

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