「脱マスク」で化粧を意識 売り場に華やぎ、3年越しの「デビュー」も

韓国コスメを充実させたコーナー(和歌山県田辺市稲成町で)

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行し、「脱マスク」が広がっている。化粧品店では、長い間マスクで隠れていた部分のリップやチーク、スキンケア用品の需要が高まってきた。3年越しの「化粧デビュー」も増えている。

 「口紅はどんな色が合うか」「肌のたるみやしみが気になる」―。和歌山県田辺市稲成町のオークワパビリオンシティ田辺店の化粧品売り場では、女性客からそうした相談が増えている。化粧品の色選びに役立つ「カラー診断」をしているメーカーもある。

 マスクの着用により、化粧する機会がなかった中高生の「デビュー」も増えてきた。低価格帯の韓国コスメが人気という。同店では数年前から取り扱いを始めていたが、昨年コーナーを拡大した。

 コロナ下では「おうち時間」が増え、家の中での虫対策に殺虫剤の需要が高かった。今年は外出が増えることを見込み、日焼け止めや虫よけのコーナーを充実させているという。

 同市北新町商店街の化粧品店「那須円」では、今月中旬にあったイベント「100円商店街」で「脱マスク」に対応し、「口紅を落ちにくくするテクニック」「お肌のうるおい度チェック」の体験を提供した。普段から来店者にアドバイスしている内容だという。

 「マスク生活で話す時に口を大きく動かさないため、口元がたるんだり、乾燥して肌が荒れたりしている人もいる。肌をどう見せるか、口紅はどんな色を選ぶか。自己流やネットを参考にするのもいいけれど、何が合うかは人によってさまざま。気軽に相談してもらえればうれしい」と呼びかけている。

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