「武運長久」の日章旗返還 米国から、墨の色あせず

返還された日章旗を広げ、状態を確認する遺族の関根竹一さん(右)ら=1日午前、埼玉県秩父市

 埼玉県秩父市出身で1945年の沖縄戦で戦死した、旧日本陸軍伍長関根彰さん=当時(33)=の日章旗が1日、遺族に返還された。長男の竹一さん(83)は秩父市で開かれた式典で、「大変驚いている。額に入れて大事に飾りたい」と涙ながらに話した。多くの寄せ書きと「祈武運長久」の墨の色はあせず、41年の出征時に贈られて以来約82年ぶりに故郷へ戻った。

 日本遺族会によると、日章旗は米オクラホマ州に住むシャロン・ヒュールズマンさんの家族が戦地から持ち帰ったもので、戦没者の遺品返還活動をしている米NPOに申し出があったという。今年3月、日本遺族会に照会があり、返還が実現した。

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