浅虫温泉地区活性化へ異業種出資で会社設立

 官民ファンド・地域経済活性化支援機構(REVIC)が青森市浅虫温泉地区の南部屋旅館、ホテル秋田屋、椿館の3社の事業再生を支援するのを巡り、同機構は1日、関係企業の出資により観光地経営会社(DMC)を設立したと発表した。DMCには3社や銀行のほか、ブルーモリス(平内町)、ヘルスプロモーション青森(青森市)の異業種も出資。同機構は事業再生と、DMCによる浅虫温泉地区全体の活性化に一体で取り組む。

 DMCの名称は「MOSPAあさむし共創プラットフォーム」。同機構とMOSPAは1日、特定専門家派遣契約を結んだ。MOSPAの社長には同機構の栗原久和氏が就任。取締役として同機構からほかに2人、青森銀行から1人、監査役にみちのく銀行から1人が就いた。

 MOSPAには再生支援を受ける3社のほか、青銀、みち銀、浅虫温泉地区の柳の湯、辰巳館、スキー製造会社で観光イベントなども手がけるブルーモリス、浅虫地区のまちづくりに取り組んでいるヘルスプロモーション青森が出資した。

 MOSPAは旅館システムの統一による情報の一元管理、総務・経理業務や客室管理などの運営業務を請け負って経営の効率化を進める。

 これに加え、地域内の人材や企業と連携して情報発信力を強化するとともに、イベントの企画・運営、観光商品の販売などで浅虫温泉地区の活性化に取り組む予定だ。

 同機構は3社と取引銀行である青銀、みち銀の申し込みを受け、3月に事業再生支援の決定を発表。3社から株式の無償譲渡を受けて経営権を取得し、新たな設備投資などのために計約9億5千万円の融出資を決めた。3社の代表は退任して総支配人となり、同機構が新たな経営者を派遣している。

 3社は長年、団体客から個人客への旅行形態の変化に対応できす、新型コロナウイルス禍の影響も加わって業績が急激に悪化。過去の設備投資に伴う借入金も負担となっていた。

© 株式会社東奥日報社