イオン農場、400ヘクタール有機に 野菜では全国最大級 28年まで

イオン子会社で農業を手がけるイオンアグリ創造が、2028年までに全国19カ所の直営農場を有機栽培に転換する方針であることが1日、分かった。レタスやニンジンなど切り替えを予定する農場の総面積は約400ヘクタールに上る。野菜の有機栽培では全国最大規模となる見込みだ。

同社は、北海道や茨城、徳島など15道県、20カ所の直営農場で、レタスやニンジン、トマト、ジャガイモなど80品目を栽培する。トマトを養液栽培する1農場を除き、全農場で有機農業に転換する。

既に有機栽培に取り組む埼玉、兵庫、大分県の4農場では、有機農産物などの認証制度である有機JASの認証を取得している。他の15農場でも順次、認証取得を目指す。

地域ごとにイオングループの店舗で出た野菜くずやパンなどを原料にした堆肥や、畜産農家で出る牛や馬のふんも活用する。有機栽培の流れを全農場で標準化するため、いつどのような対応が必要かといった品目ごとの作業手順を今年度末にまとめる予定だ。

収穫した有機農産物は全国のイオングループの店舗で、同グループのブランド「グリーンアイオーガニック」などとして販売する。

福永庸明社長は「環境に対し農業が与えるインパクトは大きい。環境に負荷をかけずに農業ができると、地域全体を守ることにもつながる」と話す。

農水省によると、2020年度の有機農業の面積は2万5200ヘクタール。うち、有機JAS認証の取得面積は1万4100ヘクタール。

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