宇佐市平和資料館10周年、追加展示や企画展 3日は記念シンポジウムも【大分県】

ゼロ戦の原寸大模型などを展示している宇佐市平和資料館。10周年に合わせて展示内容を充実させた=宇佐市
宇佐市民図書館で開催中の企画展。戦争遺構発掘調査時の写真や初公開の出土品などを展示している

 【宇佐】宇佐海軍航空隊など戦争関連の資料を展示している宇佐市平和資料館(市内閤)が今月末で開館10周年を迎える。節目に合わせて、市は展示内容を充実させたほか、整備保存した戦争遺構からの出土品の企画展を開催中。3日は平和を考えるシンポジウムを開く。

 資料館は戦争の悲惨さや平和の尊さを学ぶ場として、市が2013年6月29日に開設した。宇佐海軍航空隊、宇佐への空襲、宇佐から出撃した特攻隊、市内の戦争遺跡の資料、ゼロ戦(零式艦上戦闘機)の原寸大模型などを展示。これまで約18万人が来館した。

 10周年に合わせて展示はレイアウトを変更した。開館以降に発見された写真や資料を追加し、説明を載せたタペストリーを一新。米軍撮影の空襲映像を大画面で公開した。

 記念行事として市民図書館(市内上田)では、「戦争遺構保存整備のあゆみ」をテーマに企画展(7月9日まで)を開催している。市が取り組んできた遺構の調査・保存活動を紹介する内容で、掩体壕(えんたいごう)や爆弾池の発掘調査時の写真、出土資料を展示。爆弾の破片とみられる金属片、滑走路跡のコンクリート片など7点の初公開資料もある。

 3日午後1時からは、同図書館で記念シンポジウムを開く。第1部は杵築市在住の写真家船尾修さんが「満州国近代建築遺産と宇佐の戦争遺構の語るもの」と題して講演。第2部は宇佐市や兵庫県加西市、姫路市などでつくる「空がつなぐまち・ひとづくり推進協議会」の代表者らがパネルディスカッションをする。

 宇佐市教委社会教育課は「リニューアルでより見やすく、分かりやすくした。今後も展示などを通し、多くの人に戦争や平和について考えてもらいたい」と話している。

 いずれも入場無料。問い合わせは同課(0978.27.8199)。

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