スタート前に決めた勝みなみ グリーン上の“はじめて”ルーティン

グリーン上で悩まない! 勝みなみが決めたこととは(撮影/桂川洋一)

◇米国女子◇みずほ アメリカオープン 初日(1日)◇リバティーナショナルGC (ニュージャージー州)◇6656yd(パー72)

終盤17番、グリーンの右端に立つピンを果敢に攻めた。奥から8m近いパットはラインを伝って鮮やかにカップイン。「ずっと入っていなかったので、耐えていた分、ご褒美が来たバーディでした」。最終18番で第1打をフェアウェイバンカーに入れ、ボギーフィニッシュにしても、勝みなみは「72」とイーブンパーで終えられた。

開始1番で入れた長いバーディパット以降も、しびれるパーパットがたくさんあった。ピンチで動じなかった、いや、グリーンで堂々と振る舞えたのには理由がある。スタート直前のパッティンググリーンで「きょうは素振りをしない!」と突然思い立ったという。

米ツアーでのルーキーイヤー。「『もうちょっと切れるかな…』とか、迷って打っていたので、もう外れてもいいから決めて打とうと思って。ラインだけに集中できるように。ちょっとした空き時間に素振りをしたら、ストロークまで気にしちゃう」。これまでの長いゴルフキャリアでも「なかった」という奇策。「だからいつもより、打つのも速かった」とプレーファストにも役立った。

バンカーから脱出(撮影/桂川洋一)

普段の動きを制限することで、ストレスがかかりそうな状況も楽しんでしまうのが勝らしいところ。「意外とゲームみたいで楽しかった。1回だけクロスハンドで素振りした時があって。『あ、これも1回に入るかな…。やっちゃったな』と思ったり」。3バーディ、3ボギーのスコアメーク以外のところでも“プレー”していた。

2週前の第1回のリランキングをクリアし、シーズン中盤はチャレンジ精神を思い起こすことがテーマのひとつ。「フェアウェイからボギーっていうのは1つもなかったですし、そこは成長した部分かなと思う。気持ちも切らさず、本当に楽しくできた。あしたまた取り返したい」。首位とは7打差、40位で踏ん張った。

「きょうはトレーニングに行きたいので、ちょっとすぐ切り上げて」と、打ち込みはほどほどにしてコンディション調整に勤しむ。巻き返しのチャンスは十二分にある。(ニュージャージー州ジャージーシティ/桂川洋一)

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