青森県知事選 20年ぶりの投票率50%台も? 「ダブル選」青森市の期日前投票、既に前回越え

投票率向上が期待される知事選。青森市では市長選と同時に投票できるようになった5月29日から期日前投票が急増している=1日午後、青森市のアウガ

 20年ぶりの新知事誕生、候補4人の激突、保守分裂-。4日投開票の知事選は、これらの要素が相まって注目度が高く、各候補の陣営は投票率が上がるとの観測を強めている。青森市の期日前投票数は既に前回2019年の期日前投票総数を上回った。40.08%と低投票率に沈んだ前回とは打って変わり、三村申吾知事が初当選した03年6月の選挙以来となる50%台への回復を期待する声も上がっている。

 1日午後、青森市のアウガに設けられた期日前投票所には、多くの市民がひっきりなしに訪れた。市選管によると、市長選の期日前投票が始まった29日を境に、それまで市全体で1日当たり千票前後で推移していた投票数が連日6千~7千票へと急増。総投票数は31日時点で3万4千票を超え、前回の期日前投票総数2万9322票を既に上回った。

 各陣営も投票率アップを見込む。

 宮下宗一郎候補(44)の陣営は、各市町村選管への聞き取りを基に、衆院選挙区ごとに期日前投票率を数値化した「メーター」を独自に作成し、交流サイト(SNS)上で毎日更新している。宮下候補は「SNSで『見える化』して投票を促したい」と狙いを語る。

 小野寺晃彦候補(47)は31日、町村部を巡る戦略を変更して終日、青森市内で連呼や演説。市長選を待っていた市民らに直接、投票を促したい狙いもあった。小野寺氏は、辞職時期を4月末まで延ばして同日選にしたことで「投票率向上へ、相乗効果は必ず発揮される」と強調した。

 横垣成年候補(63)は「既に投票したと声をかけてくる人が多く、早いうちに判断している印象」と話す。陣営の一人は、同候補が反自民の受け皿になり得ているとして「選択肢は多い方が投票率は上がる」との見方を示す。

 楠田謙信候補(66)は「手を振ってくれる有権者が増えた」と実感している。

 過去の知事選投票率は、新人4人の争いを三村氏が制した03年の52.46%を最後に50%割れが続く。過去最低は07年の38.45%。

 一方で今回は、投票日7日前に当たる5月28日時点の期日前投票が、過去同期比で最高の投票者数10万人超、投票率9.58%を記録。期日前投票の盛り上がりに「60%はさすがに難しいが、50%は超えるだろう」(ある候補の支援議員)との観測も飛び出している。

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