WRC第6戦がイタリアで開幕。トヨタGRヤリスは初日トップ5に2台、勝田貴元が最上位の4番手

 6月1日、WRC世界ラリー選手権の2023年シーズン第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』が、サルディニア島北東部のオルビアで開幕した。同日に行われたオープニングステージを終えた時点で、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)はカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合5番手、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合6番手、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合8位となった。

 TGR WRCチャレンジプログラムより、4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1で今大会に出場している勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は総合4番手。デイ1が終了した段階でトヨタ勢最上位のポジションにつけている。

 シーズン第6戦として6月1日(木)から4日(日)にかけて開催される『ラリー・イタリア・サルディニア』は、地中海に浮かぶイタリアのサルディニア島を舞台とするグラベル(未舗装路)ラリーだ。開催20周年となる今大会は、ラリーの拠点となるサービスパークが島北東部のオルビアに移され、競技初日の1日(木)はそのオルビア近郊に設定された全長2.87kmのショートステージで、午前中にシェイクダウンが行なわれた。ここでは今季2勝をマークしているオジエがTGR-WRT最速となる3番手タイムを記録。勝田が4番手タイムで続いた。

 現地18時過ぎからは、オルビアの郊外でスーパーSSが1本行われ、市街地の舗装路とハイスピードなグラベルセクションの両方を走行する全長3.20kmのミックスサーフェス・ステージで勝田がチーム最上位、トップタイムを刻んだエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)と0.9秒差の4番手タイムをマーク。

 チームメイトのロバンペラは勝田とコンマ3秒差で5番手となり、6番手にはオジエが続くオーダーに。エバンスは首位と2秒差の総合8番手で初日のSS1を走り終えている。

「我々のドライバーたちはミスをせず、タイムも拮抗しているので、重要な明日に向けて準備は万端だ」と語るのは、チームを率いるヤリ-マティ・ラトバラTGR-WRT代表。

「現時点で明日の天気がどうなるのか読めず、この大会ではあまりないことだが、雨が少し降る可能性もありそうだ。もしそうなれば、出走順に関して我々のドライバーたちの助けになるだろう」

「明日は約50kmのモンテ・レルノのステージもあり、それをいかにうまくこなすかが、この週末に良い結果を得るための、ひとつのカギになると思っている」

 そのデイ2は、サービスパークが置かれるオルビアを中心に3本のステージを各2回走行する。このうちミッドデイサービスの直前に行われるSS4と、一日の最後に予定される再走ステージのSS7“モンテ・レルノ~サ・コンチェッダ”は今季最長49.90kmにもおよぶ超ロングステージとなっている。SS2~7の合計距離は138.04kmでこちらも今大会最長。リエゾン(移動区間)を含めた一日の総走行距離は347.38kmに上る。

カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア

■TGR-WRTドライバーのデイ1後コメント

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合5番手

「オルビアの最初のステージは、グラベル路面を走ったり、街中を走り抜けたりと、とてもいいステージだった。いつものように、ファンの皆さんにとっては見応えのあるショーになったと思う」

「午前中のシェイクダウンで最初に走行した時は、予想どおり路面は滑りやすかったけど、少なくとも今週降った雨によって少しは楽になった」

「明日は、今大会もっとも長い一日で、なおかつ最長のステージを出走順一番手で走行するため、僕たちにとって大きなチャレンジになることは間違いない。なんとか問題なく乗り切り、最終的に上位に食い込めるかどうかを確認したいと思う」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合8番手

「今夜はラリーのスタートとしては、とてもいいステージだったと思う。このようなドーナツターンが含まれるスーパーSSでは、タイヤに負担をかけ過ぎないように気をつけなければならないが、僕たちはそれを楽しみ、観客の皆に良いショーを見せようとしていた」

「この週末はさまざまな天候が予想されるため、タイヤを正しく選び、ソフトタイヤの配分をうまく管理することが、非常に重要なカギを握ると思う。この先、かなり荒れた厳しいコンディションが待ち受けているが、それを攻略することが楽しみだ」

「シェイクダウンはこのラリーを代表するようなステージではなかったけれど、すべてがうまく機能していることを確認するいい機会になり、ここまでのところすべてにおいて満足している」

●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合6番手

「オルビアのこのステージを走るのは今回が初めてだったが、市街地で行われるオープニングステージとしてはかなり素晴らしいもので、未舗装路と舗装路の両方を走行し、大きなジャンプもあったので、とにかく愚かなミスをしないように集中して臨む必要があった」

「もちろん、本当の勝負は明日からだ。天候もタイヤ選びも難しくなりそうですし、ステージは荒れたセクションやトリッキーな場所が多くある、とても厳しいものだ」

「今朝のシェイクダウンではすべての準備が整っていることを確認できたし、僕自身も良いフィーリングを感じている。まず最初の目標はトラブルに巻き込まれないことだが、もちろん上位争いに加わりたいと思っている」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合4番手

「SS1はトップと0.9秒差の4位!」

「とても滑りやすい路面でしたが、良いスタートを切れました! 明日は50kmのSSもある長い一日。気合を入れて臨みます」
Twitterより。

エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア
セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア

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