30年間で約1.4倍に増加した雨量 浸水や局地的な豪雨や台風から街を守る都の下水道の施設

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」で、街を浸水から守ってくれる屋台骨・下水道の施設を紹介しました。

◆TOKYO防災 A to Z #8 南元町雨水調整池

防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」。
今回は、街を浸水から守ってくれる屋台骨、下水道の施設を紹介します。

美しい街並みと歴史ある文化が共存する東京。
その発展の裏には、過去の災害によって培われた教訓を活かした街づくりがあります。
そして、その歩みは未来へ…。備えよう、今も、100年先も、安心と安全を守るために。

頻発する自然災害に備え、東京都が想定する五つの危機。
今回のテーマは、「風水害への備え」です。

気候変動の影響で、近年、全国的に頻発している、局地的な豪雨や巨大台風。
大雨・洪水警報の基準となる、1時間あたり50mmを超える雨は、30年間で、約1.4倍に増加しています。
その影響による水害は、都内にも深刻な被害をもたらす可能性が。

中でも、都市部で起きるリスクが高いのが、雨水を流す下水道が許容量を超えて浸水が起こる、「内水氾濫」という都市型水害です。
そこで、下水道管の水位が急上昇すると、雨水を一時的に貯めて浸水を防ぐ施設があります。
それが、雨水調整池。
東京都下水道局では、都内に16カ所の雨水調整池を作り、浸水への備えを進めています。

その中で、都内で初めて作られたのが、新宿区のみなみもと町公園の地下にある、南元町雨水調整池。

(下水道局西部第一下水道事務所 渡辺秀行課長)「大雨のときなどに、雨水を一時、貯留しておく施設です。南元町雨水調整池といいまして、大きさは、5,000立方メートルと8,000立方メートルの池があり、合わせて、25mプール43杯分の水を貯めることができます」

1960年代には、この地域一帯で、多くの浸水被害が発生していましたが、この施設が完成してからは、大きな被害は出ていません。
そんな調整池には、ある特徴があるそうで…。

(下水道局西部第一下水道事務所 渡辺秀行課長)「地面を見ると、少し傾斜がついています。大雨が降って、一旦、貯まった雨水は、大雨がやんだ後に、この傾斜に沿って自然流化で排水されていくという仕組みです」

動力を使わずに排出した雨水は、再び下水管を通って、下水処理場へと流れていきます。

(下水道局西部第一下水道事務所 渡辺秀行課長)「浸水被害等が起こりやすい地域がありますので、そういった地域に雨水調整池を重点的に整備して、少しずつ浸水被害の解消に取り組んでいます」

また、下水道局では、局地的な豪雨や台風から身を守るため、リアルタイムでピンポイントの降雨の強さや分布状況が確認できる、「東京アメッシュ」を無料で提供。スマートフォン版では、GPS機能を利用して現在地を表示したり、任意の場所を2カ所、登録して、雨の情報を知ることができます。

下水道は、都民の命と暮らしを守り、都市の被害を最小限に抑えるため、日々、縁の下を支えています。
都では、100年先も安心な都市を目指して、「TOKYO強靭化プロジェクト」を策定しています。
詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

関連リンク
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/kyoujinkaproject/

番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:杉浦みずき、白戸ゆめの
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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