現行保険証、来年秋に廃止へ トラブル続出もマイナ利用拡大

マイナンバー法など改正関連法が可決、成立した参院本会議=2日午前

 マイナンバー法など改正関連法が2日に成立したことを受け、政府は来年秋に健康保険証を廃止し、マイナカードに保険証機能を持たせたマイナ保険証に一本化する。マイナ保険証は他人情報をひも付けるミスが判明。公金受取口座に別人口座を登録するといったカードに絡むトラブルも続出しているが、改正法はマイナンバーを利用できる行政事務を広げる。

 衆院の地域活性化・こども政策・デジタル社会形成特別委員会と厚生労働委員会は同日、マイナンバー制度に関する連合審査を行った。立憲民主党や共産党はトラブル続発を批判し、保険証廃止を再考するよう政府に求めた。

 加藤勝信厚労相は「マイナ保険証はさまざまなメリットがある。一つ一つ対策を講じながら円滑な移行を図る」と理解を求めた。

 保険証廃止後はマイナ保険証がない人も保険診療を受けられるように資格確認書を発行する。しかし、有効期間最長1年の更新制で、事実上のカード取得義務化と指摘されている。

 マイナンバーの利用範囲は、行政書士や美容師といった国家資格の手続きなどに拡大する。

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