唯一のボギーなしで証明 平田憲聖は「雨で逆に集中できる」

初優勝から2週連続Vなら日本人初(撮影/和田慎太郎)

◇国内メジャー◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2日目(2日)◇宍戸ヒルズCC西コース(茨城)◇7430yd(パー71)◇雨(観衆680人)

傘を差したり閉じたり、普段に比べれば少し動きづらいレインウェアのままショットを打ち、ぬれたグリップで滑らないように注意…。雨の中のプレーがせわしなくて大変なのは、トッププロであっても同じはず。それでも平田憲聖は「雨でやることが多いけど、逆にゴルフに集中できた」と涼しい顔で話す。サスペンデッドとなった2日目、第2ラウンドを完了した選手で唯一のノーボギー、ベストスコア「67」が何よりの証しだ。

「僕自身、雨の中、悪天候の中で結構いいゴルフができる」という根拠は記憶に新しい。やはり雨に降られた4月「関西オープン」3日目にも、ベストスコア「63」でジャンプアップを決めている。雨対策でやるべきことが多い分、「『ミスしたら…』とか、マイナスなことを考える時間がない。やるべきことだけを考えてやれている」。集中力がグッと高まる感覚があるという。

「一日中レインウェアは初めて」と言いながらノーボギー(撮影/和田慎太郎)

2番(パー5)から2連続バーディで滑り出したこの日は、グリーン上での粘りも光った。長いバーディトライを残した4番を2パットでしのぎ、奥から左下がりの寄せがショートした5番も微妙な距離を決めきった。右に曲げてレイアップを強いられた12番では10mのパーパットをねじ込むスーパーセーブ。「それが入ったことが13番のバーディにつながった」。続くパー3で7Iのショットを3mに絡めて獲り、最終18番も2mを沈めて耐えた。

前週の初タイトルの勢いだけではない。「伸ばし合いよりは我慢の一日の方が、いい結果が出せると思っている」。昨年大会でも7位に入った宍戸は、まさにそんなコース。「僕に合っているのかな」と控えめにうなずく。

グリーン上が前週に続いて好調(撮影/和田慎太郎)

通算4アンダーで首位と3打差の暫定4位。記録が残る1985年以降、初優勝から2週連続で勝った選手は2006年のジープ・ミルカ・シン(インド)しかいない(ツアーのオープンウィークを挟む2試合連続、出場2試合連続を除く)。藤本佳則が持つ22歳7カ月9日の大会最年少Vの更新もかかった週末になる。(茨城県笠間市/亀山泰宏)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン