6月2日、本州付近に停滞する梅雨前線と台風2号の影響で大雨となった静岡県内。気象庁は東海地方に線状降水帯による非常に激しい雨が続いていて、引き続き、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒するよう発表しました。
<野田栞里記者>
「浜松市浜北区です。朝から降り続く雨でこちらの道路は完全に冠水しています」
気象庁は2日午後、東海地方に線状降水帯による非常に激しい雨が続いていて、引き続き、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒するよう発表しました。
静岡県内は本州付近に停滞する梅雨前線と台風2号の影響で1日夜から雨が降り、降り始めから2日午後4時までの雨量は、伊豆市天城山で317.5mm、藤枝市高根山で282.0mm、静岡市葵区井川で273.0mmなどとなっています。
2022年9月の台風15号で対応の遅れを指摘された静岡市では、土砂災害警戒情報が発表されたと同時に災害対策本部を設置。その10分後には市の幹部を集めた1回目の会議を開き、情報を共有しました。
<静岡市 難波喬司市長>
「河川と消防でしっかり連携をして、河川の場合、どこが一番厳しい状況になっているか分かると思いますから」
磐田市は2日午後4時過ぎ、5段階ある警戒レベルで最も高いレベル5の「緊急安全確保」を豊岡東地区に発表しました。敷地川上流部が増水し、堤防を越えて氾濫する恐れがあるとしています。
県中部や西部で約13万世帯・33万人に、5段階ある警戒レベルの上から2番目にあたる「避難指示」が発表されています。「避難指示」を受け、静岡市で79カ所、掛川市で43カ所、磐田市で39カ所など、県全体で241カ所の避難所が開設されています。
<山口駿平記者>
「掛川市板沢です。こちらの道の奥、土や枝などが道路にまで流れてしまっているのが分かります」
2日午前9時ごろ、掛川市板沢の市道で「土砂が崩れていて通れない」と消防に通報がありました。土砂崩れによる人的被害はありませんでしたが、この市道は現在、通行止めとなっています。
また、2021年7月、土石流により28人が死亡した熱海市でも警戒が強まりました。熱海から神奈川県湯河原町に抜ける国道135号と伊豆山地区を通る市道伊豆山神社線が規定雨量に達したため、午前9時ごろから通行止めとなっています。
週末の観光やイベントにも影響が…。
<ニューとみよし 富岡篤美社長>
「きょうとあすですね。交通の心配もあって多少キャンセルが出ております」
観光地・熱海のこちらホテルでは、2日と3日の2日間で、すでに5件の宿泊客のキャンセルがあったということです。
また、3日から2日間、吉田町の吉田公園で開催予定だった野外音楽フェス「頂(いただき)2023」は十分な会場設営が確保できないことから中止を発表しました。