茨城県内大雨 交通乱れる 龍ケ崎市で125.0ミリ

強い雨が降る中、横断歩道を渡る女性=2日午後4時59分、水戸市城南

茨城県内は2日、台風2号の接近に伴い、暖かく湿った空気が前線に流れ込んだ影響で、大雨に見舞われた。3日も昼前にかけて雷を伴った激しい雨が降る見込みで、水戸地方気象台は土砂災害や低い土地の浸水、河川の氾濫に警戒を呼びかけている。

同気象台によると、午後6時14分時点で県内27市町村に大雨や洪水警報が発令された。午後8時半現在の24時間雨量は龍ケ崎市で125.0ミリ、日立市と稲敷市(江戸崎)でそれぞれ119.0ミリを観測。全23観測地点のうち11地点で6月の観測史上最大を記録した。龍ケ崎市は午後5時48分までの1時間雨量が43.5ミリだった。

県や市町村は、土砂災害や河川氾濫への警戒を強めた。午後9時半現在、警戒レベル4の避難指示を発令した県内自治体は常陸太田、高萩、常陸大宮、桜川、大子の5市町。龍ケ崎、下妻、取手、つくばみらい、城里、利根の6市町は警戒レベル3の高齢者等避難を発令した。県によると、龍ケ崎市内で転倒による軽傷が1人。河内町内で床下浸水が1件発生した。境町内の道路2カ所が冠水で通行止めとなっている。

桜川市は市全域の3万7千人に避難指示を発令した。市防災課は「市内に土砂災害警戒区域が計295カ所あり、河川の氾濫や道路の冠水の恐れもあることから、早めの避難を呼びかけた」とした。大子町も土砂災害警戒区域を含む町内16地区6258人に避難指示を出した。

県教委によると、通学時の安全確保を理由に、茎崎高夜間部と日立工高定時制の県立高2校を臨時休校とした。小中など市町村立学校91校と中高や特別支援学校の県立校12校の計103校は短縮授業とした。

東京電力によると、午後7時までに、つくば市や坂東市などで計約1万3220軒が停電した。

JR水戸支社によると、大子町に避難指示が出た影響で、午後5時19分ごろから水郡線の常陸大宮-常陸大子駅間で上下線とも運転を取りやめた。他の区間では終電を早めた。

鹿島臨海鉄道大洗鹿島線は、大洗-鹿島神宮駅間で3日の始発から午後1時ごろまで運転を見合わせると発表した。

日本道路交通情報センターによると、午後6時時点で、県内全ての高速道路で最高速度規制が行われ、ほとんどの区間で最高速度が時速50キロに制限された。

同気象台によると、雨のピークは3日午前3時ごろまでの見通し。担当者は「雨がやんでも昼までは土砂災害などに警戒が必要。波浪は3日いっぱい注意してほしい」と話した。

大雨の影響で冠水した歩道を、靴を脱いで歩く高校生たち=2日午後5時34分、水戸市城南

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