<レスリング>オリンピック・メダリストが拘束される…UWWが混迷するインド連盟へ速やかな事態の解決を要望

 

 世界レスリング連盟(UWW)は5月30日、混迷するインド・レスリング連盟に対する公式声明をホームページで発表(クリック)。オリンピックのメダリストを含めた現役選手の拘束者が出た事態を非難し、状況の公平かつ公正な解決を強く望んだ。

 インドでは今年1月、2018年アジア大会・女子50kg級優勝のビネシュ・フォガトらが、インド・レスリング連盟(WFI)ブリジ・ブシャン・シャラン・シン会長やコーチから多くの選手がセクハラを受けていると告発。2021年東京オリンピック・男子フリースタイル銅メダリストのバジラン・プニアらも支援し、抗議活動を行っていた。

 UWWはWFIに事態の解決を要求したが、進展がなかったため、3月末にニューデリーで予定されていた2023年アジア選手権を取りやめ(カザフスタンで実施)、引き続き事態の解決を望んだ。

 シン会長は与党インド人民党の有力政治家。選手側はアヌラーグ・タクール・スポーツ大臣と話し合い、スポーツ局がシン会長から一切の権利をはく奪し、速やかな解決策を約束したことで、いったんは抗議を中止した。しかし当局は無策で、同会長がインド・レスリング界で依然として権力を持っていることで、ビネシュらは4月23日に抗議を再開。国会議事堂の前に座り込むなどし、会長の逮捕を求めて強く抗議していた。

 5月28日にモディ首相が新しい国会議事堂の落成式を行うにあたり、デモ行進をしたところ、ビネシュ、プニア、サクシ・マリク(2016年リオデジャネイロ・オリンピック女子58kg級銅メダリスト)らを含めた選手が警察に拘束されたと伝えられている。

 UWWは、WFIとインド・オリンピック委員会(IOA)の特別委員会に対し、「45日」という期限をもって再調査・対応を依頼。この期限を遵守しない場合は、WFIを資格停止にする可能性があることを報じた。その場合でも、選手は中立の立場で国際大会には出場できるとしている。

 

 

 

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

𝐒𝐚𝐤𝐬𝐡𝐢 𝐌𝐚𝐥𝐢𝐤 𝐅𝐚𝐧(@sakshimalikfan)がシェアした投稿

© 公益財団法人日本レスリング協会