レスリング女子で五輪2連覇を果たした金城(旧姓川井)梨紗子さん(28)=福井県敦賀市=が来年のパリ五輪出場を目指しながら子育てと後進指導に当たっている。選手、妻、母、指導者を兼ねる多忙な日々だが「家族の協力があるから苦ではない」と金城さん。6月2日には、おおい町で開かれた福井県高校春季総合体育大会でセコンドを務め、高校生に五輪選手の経験を生かしたアドバイスを送った。
石川県出身の金城さんは、2021年に敦賀気比高校レスリング部コーチ(現監督)だった金城希龍さん(30)=敦賀市=と結婚。昨年5月には第1子となる女児を出産した。同年10月には実戦復帰し、2カ月後の全日本選手権では非五輪階級の59キロ級で優勝した。
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今年4月、同校の特別顧問に就任した。高校生への指導は週4、5回ほど。自らの練習を兼ね約2時間半、生徒とみっちりスパーリング形式の試合をこなす。その傍らで保育園への送迎を行い、時には練習場に娘を連れて姿を見せる。妻とともに指導に当たる希龍さんは「技はもちろん練習態度まで梨紗子は細かいところを指導してくれる。自分と見ている視点も違うのでいろんな方向から指導ができて(チームが)良くなった」と振り返る。
2日には希龍さんと一緒に県高校総体で同校レスリング部のセコンドを務めた。試合に臨む生徒たちのそばに控え、鋭い視線で試合の行方を見つめながら合間にアドバイスを送った。
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来年のパリ五輪代表選考に関わる明治杯全日本選抜選手権(15~18日・東京)を控える金城さん。「勝ち負けにかかわらず一生懸命頑張っている仲間たちを見るのは(自身の)励みにもなる」と話した。