地域振興へ副業協力隊 茨城県移住 企業と事業創出

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県は、地域おこし協力隊が企業と課題の解決に取り組む制度「副業協力隊」を導入する。専門技術を持つ都市部の人材が茨城県に移住し、副業として県内企業と商品開発や情報発信などに当たる新たな仕組みで、地域活性化につながる事業創出を目指す。早ければ今秋にも受け入れ企業に派遣する方針。

地域おこし協力隊は、都市部から移住した隊員が地域の特産品開発やブランド化、PRのほか、住民支援などの地域活動に取り組みながら定住を目指す。県はこの制度を活用し、活動の半分を企業のプロジェクトに参加しながら地域課題を解決する副業協力隊を新たに委嘱する。

具体的な活動は、受け入れ企業の「地域活性化プロジェクト」に参加し、地域課題の解決につながる事業展開や新たな事業創出などを進める。企業と進める活動の様子や、隊員として副業を続ける暮らしぶりなどについて、会員制交流サイト(SNS)などを通し、県内外に発信する役割も担う。

協力隊としての活動時間は、週に約20時間程度を想定。副業を前提とすることから、活動時間外は受け入れ企業だけでなく他企業の仕事も担えるなど、各協力隊の自主的な活動を広く認める。

任期は1年で、最長3年とする。配置は1社に1人の予定で、7月初めにも募集する。活動について月1回程度、県に報告する。

県は今月13日まで、企業からプロジェクト案を募集した上で、受け入れ企業として2社を選定する。要件は、県内に本社や活動拠点を置く▽経営者か同等の裁量を持つ人が担当や窓口となる▽担当者がプロジェクトに週2、3時間程度関わる▽事業活動を通じた地域課題解決や地域活性化に関心がある-など。

受け入れ企業には、コーディネーターが伴走支援する。プロジェクトを展開する中で、協力隊を効果的に配置する助言や活動期間中の相談対応など、企業が安定的に協力隊を受け入れられるよう支援する。

県は10月にも、受け入れ企業に協力隊員を配置したい考え。県計画推進課は「副業協力隊が持つノウハウを企業活動に生かしてもらい、地域の課題解決や活性化につながる事業の創出を促したい」と期待を寄せる。

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