【竹田】竹田市を拠点に活動する「TAKETA室内オーケストラ九州」を立ち上げた森田良平さん(38)が5月末で同市の地域おこし協力隊を退任し、新たな進路に踏み出した。市民が音楽を聞く機会を提供し、音楽文化の発展や市の発信に尽力。自身もコントラバス奏者で、同27、28日に市内で開かれた壮行コンサートに出演して力強い演奏を披露した。
森田さんは鹿児島市出身。コントラバス奏者として国内外で活躍し、2020年に竹田市が音楽事業の企画運営を担う人材を探していると知人から聞いたことをきっかけに協力隊員に応募した。市総合文化ホール(グランツたけた)で裏方として勤務しながら、21年に仲間を募ってオーケストラを結成。市内外での公演に積極的に取り組み、各地に生の演奏を届けている。
久住高原ホテル(同市久住町)であった壮行コンサートは、森田さんと交流がある同ホテルの山室稔相談役(64)が企画した。5月27日はピアニストの室屋麗華さん(34)と約20曲を演奏。協力隊仲間で声楽を学んできた嘉月沙英さん(24)とも共演し、大きな拍手を受けた。
今後は市内で音楽サロンを運営する他、佐伯市のケーブルテレビ局で音楽プロデューサーを務め、両市、自宅がある福岡市と多拠点で活動する予定。6月は国際コントラバス協会の招待を受けて渡米し、「荒城の月」などを演奏するという。
森田さんは「全国各地で竹田のように音楽を通じたまちおこしを展開したい。地域同士のつながりを生み、竹田市に関わってくれる人も増やすことができれば」と話した。