遠隔診療と共同体形成、実証へ 酒田市、山形大など4者が協定締結

庄内地域での遠隔診療普及や地域コミュニティーの形成に関する協定書を交わした締結式=酒田市役所

 山形大と東北公益文科大、酒田市、NTT東日本が進めている、庄内地域での遠隔診療とコミュニティー形成の実証実験に関する協定締結式が2日、同市役所で行われた。同市日向地区をモデル地区に、座っただけでバイタル情報を測定する機器を開発するほか、有機ELディスプレーを日向コミュニティセンターに設置しオンラインで医療相談ができる環境を整える。

 実証実験は、市が日本海総合病院を運営する県・酒田市病院機構の設置者であることから、同病院とも連携する。遠隔診療システムを搭載した「医療カー」を走らせ、高齢者の自宅近くでの診療を実現する。山形大が開発した高精細な有機ELディスプレーや巨大モニターをコミセンに設置することで、医療相談やモニターを活用したイベントも可能になる。日向地区で以前から住民と学生が交流を深めている東北公益文科大が、介護予防などを通じたコミュニティー形成を支援する。

 締結式には山形大大学院の城戸淳二教授、東北公益文科大の神田直弥学長、NTT東日本の渡会俊輔山形支店長、丸山至市長が出席。協定書を交わし「飛島での遠隔診療に続き、中山間の無医地区にも拡大していく」「居場所づくりを推進したい」などとあいさつした。

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