【台風2号】「メキメキって音がして一気に土砂が」土砂崩れ、浸水、堤防決壊…大雨が残した大きな爪痕

静岡県内で猛威を振るった台風2号の接近に伴う大雨。各地で土砂崩れや浸水、堤防の決壊などが発生し、被害の状況が明らかになってきました。

<野田栞里記者>

「行方不明の男性の自宅前です。こちらにはもともと木製の橋が架かっていたということですが、昨日の大雨で流され、跡形もありません」

磐田市によりますと、2日朝から大平地区に住む70代の男性の行方が分からなくなっています。男性が大雨に流された可能性を視野に警察などが捜索を続けています。

<山口駿平記者>

「土砂崩れで1階部分はほとんどつぶれてしまっています」

浜松市西区協和町では、大雨の影響で土砂崩れが発生し、住宅1棟が全壊しました。この家に住む30代の男性が足を挟まれ、軽傷です。

<近くに住む人>

「(この家に住む)奥さんに聞いたら『私はぎりぎりメキメキって音がしたもんで家の外に出たら一気に土砂が入ってきて』(と言っていた)」

2日、静岡県内では線状降水帯が相次いで発生。24時間雨量は浜松市春野で500.5ミリ、浜松市熊で497.5ミリなど、6月の平年1か月分を超える量の雨が1日で降り、各地で観測史上最大を記録しました。

磐田市は一時、5段階ある警戒レベルで最も高いレベル5の「緊急安全確保」を発表したほか、県内全域で避難情報が発令され、三島市では依然、レベル4の避難指示が発令されています。

<野田栞里記者>

「昨日氾濫した敷地川です。あちらの土嚢がある辺りが氾濫した部分で、岸辺がえぐれています」

磐田市の敷地川は、2日夕方、瞬く間に増水し、氾濫しました。2022年の台風15号でも堤防は決壊していて、現場は当時、土嚢での応急処置が施されていました。水は引きましたが、周辺住民は3日朝から泥の片づけに追われています。

<実家が浸水した女性>

「みんな…みんな来て遊んだりしたので…片付けます。ごめんなさい。ごめんなさい。(涙)また遊べるように。ここで。片付けます」

磐田市内では、多数の床上浸水があり、市は被害状況の確認を急いでいます。県は、この決壊を受けて、磐田市に対して、災害救助法の適用を決めています。

大雨は浜松市にも大きな被害をもたらしました。浜松市内では、床上浸水は25棟、床下浸水は117棟報告されています。また、各地で土砂崩れも発生してます。西区館山寺町では複数の建物が土砂崩れの被害に遭っています。

<舘山寺園 舘理恵さん>

「大きな雷が落ちたような『どん』という大きな音したと同時にザザザザザっていう、もう木が覆いかぶさってるような音、音はすごく大きかった」

店舗に土砂が流れ込みましたが、けがをした人はいませんでした。

県東部でも台風の被害が出ています。沼津市大岡のきせがわ病院では、病院の1階にある通所リハビリテーションサービスなどが浸水しました。

<病院職員>

「今回ここまで来てると思います。150cmくらいだね」

水は、一時1.5mほどまで達し、ガラスが割れたり、医療機器が水没するなどの被害が出ました。

<病院職員>

「(機材に)汚水がついてるので、廃棄だと思います。営業再開できるかもわからないですけど、片付けないとですね」

3日朝から、職員が施設内の清掃にあたっていますが、再開のめどはたっていません。

<中西結香記者>

「沼津市原地区を流れる沼川です。大雨の影響でしょうか。川の護岸が崩れかかっています」

民家の近くにある川では、護岸がいまにも崩れそうな状態に。近くに住む住民も心配そうに見ていました。

<神谷修二カメラマン>

「伊東市の土砂崩れがあった現場です。住宅の裏山がこのように崩れました。大きな木も崩れ落ち、電線に引っかかっています」

伊東市鎌田では、3日午前11時ごろ、土砂崩れが発生し、住宅2棟に被害がありました。土砂は縦30m、幅20mほどの範囲で崩れ落ち、住宅の2階付近に土砂が流れ込んみましたが、けが人はいませんでした。

© 静岡放送株式会社