新潟市中央区で開催中の木下大サーカス新潟公演(新潟日報社主催)で、古典芸能をアレンジした演目「葛(くず)の葉」が披露されている。キツネと人間の悲恋物語を表現した同サーカスの伝統芸で、演者の引退で一時中断していたが1年ぶりに復活。6月2日も、不安定な足場で和歌をしたためる妙技が観客を引きつけた。
葛の葉は、恩返しのため葛の葉姫に姿を変えて人間の夫と暮らしたキツネが、正体を知られ、歌を残して去る物語。木下大サーカスで昭和初期から続くという伝統芸で、団員が稽古を重ねて新たな演者となり、5月末に復活させた。週に数回、披露している。
公演では台上で横になった男性が両足で支えるふすまに乗り、キツネ役の女性が歌を書く。女性が両手や口も使って筆を操る技に、訪れた人々が見入った。
鑑賞した村上市の自営業の男性(64)は「きれいな字を書く姿が決まっていた」と話した。
新潟公演は、県スポーツ公園第4駐車場特設会場で6月19日まで。