森に響くピアノの音色 諸塚で坂本龍一さんの曲演奏会

巧みな演奏と自然の音色の協演を楽しんだ「森の中のピアノ~坂本龍一の音楽とともに」

 自然に囲まれた会場で演奏を楽しむ「森の中のピアノ~坂本龍一の音楽とともに」(諸塚村、同村観光協会主催)は5月28日、同村家代・池の窪グリーンパーク周辺であった。県内外から約230人が来場。巧みな演奏と自然が奏でるハーモニーを心ゆくまで楽しんだ。
 演奏会は、同村の森が一般社団法人「モア・トゥリーズ」の森に認証されるなど、同法人の主宰者で今年3月に亡くなった坂本龍一さんとの縁がきっかけ。坂本さんと親交の深い湯山玲子さん主宰のプロジェクト「爆クラアースダイバー」が企画し、初めて開いた。
 標高約800メートルの同パーク内の林にステージを特設し、来場者は斜面など思い思いの場所に腰かけ鑑賞した。演者の一人で若手ピアニストのロー磨秀さんは、坂本さん作曲の「エナジー・フロウ」や「戦場のメリークリスマス」などを情感たっぷりに演奏。時折、野鳥のさえずりや風のざわめきも”協演”し、会場には豊かな時間が流れていた。
 宮崎市恒久から訪れた井上康志(69)、弥生さん(64)夫妻は「自然の中、森の香りに包まれながら聞く演奏は、体に染み入るようだった」と絶賛。DJや司会を務めた湯山さんは「お客さんも盛り上げてくれて、坂本さんにゆかりのある諸塚の森にふさわしい、素晴らしい演奏会になった」と話していた。

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