ヒット曲連発!大黒摩季【ライブレポ】30周年ツアーファイナルで魅せた “今とこれから”  大黒摩季デビュー30周年!ツアーファイナルをレポート

大黒摩季デビュー30周年、ツアーファイナル

2022年5月27日にデビュー30周年を迎えた大黒摩季。この記念すべき年に、自身の出身地である北海道からスタートし、47都道府県で全67本に及ぶ全国ツアーを1年間かけて開催してきた。

そして、2023年5月28日にはファイナル公演となる『MAKI OHGURO 30th Anniversary Best Live Tour 2022-2023 -SPARKLE- Tour Final 〜Non Stop!! MEGA Hits Rave☆ “NEXT”〜』が、東京ガーデンシアターで開催された。

ゴスペルシンガーのような迫力と存在感

1階から4階まで、ぎっしりと客席を埋めた観客が大黒の登場を待ちわびて、次第に大きくなるSEに合わせ手拍子が始まる。暗転したステージ中央にピンスポットが当たり、黒いマントを羽織った大黒が登場。ピアノ1本で静かに、力強く「Sing」を歌い始める。その歌声、立ち姿はゴスペルシンガーのような迫力と存在感で、息づかいまでが届く静寂の中、張り詰めた空気が会場を支配する。

2曲目では一転して、ゴールドのシャイニーなドレス姿となり、レスポールを抱えた大黒が三段組のステージ最上段で「SPARKLE」を歌い出す。客席は入場時に配布されたペンライトを振り、会場がカラフルに照らされた。

「さあ、盛り上がっていこう! 今日はお祭り、歌っていいよ!」

という煽りに乗せ、序盤からメガヒットが立て続けに登場。「あなただけ見つめてる」では歌詞の内容に合わせ「ポケベル、あったね!」と客席に語りかけ、「DA・KA・RA」ではレッドスーツにサングラス姿のダンサー “TEAM BLACK STAR” が華麗なパフォーマンスを披露。さらに「チョット」ではお立ち台の前でつまずくハプニングに、思わず苦笑いする一幕も。

気さくで明るい大黒のキャラクターはこの日も健在

ちなみに今回のバンドメンバーは…

・柴田敏孝(Key)・TAKUYA、原田喧太、北川遊太(Gt)・Ju-ken、徳永暁人、盆子原幸人(Ba)・SATOKO、濵﨑大地、宮内告典(Dr)・勝田一樹、竹上良成、ヒロムーチョ(Sax)・スティーヴ エトウ(Per)・原田ゆか(Cho)・森崎義文(Manipulator)

1年にわたるツアーでバックを務めたバンドメンバーが、セクションごとに演奏を担うスタイルだ。

TAKUYAの激しいギターソロが印象深い「永遠の夢に向かって」を歌い終えると最初のMCに。客席に呼びかけ、ウェーヴを要請するなど、気さくで明るい大黒のキャラクターはこの日も健在。

「家庭も仕事も、全部忘れて、思う存分楽しんでください!」

―― の声に、観客も声援と拍手で応える。

夏を呼び込む陽気なステージ、そしてDJ KOOが登場!

大黒摩季といえば、30年にわたり幾多の大ヒットをもつアーティストだが、この日のライブは単にヒット曲の多さだけでなく、楽曲の多彩さ、音楽性の幅広さを感じ取れるステージ構成になっている。

特に中盤戦からは、華やかなラテンパートに様変わり。スティーヴ エトウの激しいパーカッション・ソロから、オルケスタ・デ・ラ・ルスのNORAが真紅のドレスを纏って登場。JIN、佐久間勲、五反田靖、相川等、當間ローズらも加わって「太陽のサルサ 〜iSalsa del sol!〜」、そして「夏が来る」「Lie, Lie, Lie,」「いちばん近くにいてね」と、ラテン風ナンバーを次々に繰り出し、夏を呼び込む陽気なステージを展開。

「次はやばいよ!」

そう言い残し大黒がステージ袖に下がると、センターからDJ KOOがDJブースとともにせり上がり、大黒のヒット曲のダンスMIXをプレイ。DJ KOOの煽りに応え大黒が再び現れると、「熱くなれ」ではバンドやダンサーも加わり、「Anything Goes!」ではスタンドマイクでシャウトするロッカーとしての側面も見せ、会場は熱狂の坩堝と化した。

本編最後は坂井泉水との約束を果たすべく作った「君に届け」

本編最後の曲は、ZARDの坂井泉水との “一緒に曲を作ろう”という、かねての約束を果たすべく作った「君に届け」。大黒のデビュー日である前日の5月27日は、奇しくも坂井の命日に当たる。

「(坂井は)絶対来てたよ!」
「きっといる。ありがとう東京!」

―― と言い残し、ステージを後にした。

アンコールではステージ中央に大太鼓がセットされ、いなせな和装に身を包んだ大黒が、バチを持って太鼓を叩き出す。日本の和太鼓の第一人者・ヒダノ修一に学んだという腕前に、観客も驚きとともに大声援を送った。

さらには、東京オリンピックをきっかけに、日本を一つにしたいとの思いで作られた「東京Only Peace」を、ヒダノに加え三味線、尺八も加わって演奏。

ここまですでに20曲以上を歌っているにも関わらず、まったくテンションが落ちないパワフルなパフォーマンスは圧巻の一言だ。また、どの曲が飛び出しても即座に反応し大合唱となる会場のレスポンスも感動的で、彼女の歌が30年間にわたり、いかに多くの人々に愛され、歌われてきたかを実証するステージとなった。

「30年も歌わせてくれて、最高の場所をくれてありがとうございます!」

―― の声に続き、会場のライトが全開になり、お待ちかねの「ら・ら・ら」がスタート。途中で客席に下り、ハイタッチをする、思わぬサプライズもあり、ラストナンバー「ROCKs」では、総勢15人に及ぶミュージシャンたちの大セッションから繰り出される分厚いロックビートの海を泳ぐ。

フィナーレでは全出演メンバーに加え、ツアースタッフも舞台に上がり、一列に並んで深々と観客に向かって一礼。

「このメンバー、スタッフ全員が大黒摩季です!」
「これからも日本で、世界でいちばんおバカな楽しいライブをやって行こう」

―― と締めくくり、3時間を超える30周年記念ライブの幕を閉じた。

■お知らせこのライブの模様は、U-NEXTにて独占配信が決定している。6月30日(金)19:00より配信開始、見逃し配信期間も設けられているので、この日、会場に来られなかったファンも、30年の歴史を振り返る大熱狂のパフォーマンスをお見逃しなく!

カタリベ: 馬飼野元宏

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