山下智久「30代の恋愛は知識や経験が豊富かどうかも重要視」

映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』に出演する山下智久(撮影:井上ユミコ)

「目が見えないことをどう表現するのか……役づくりも苦労しましたし、演じていてもとても大変でしたが、だからこそチャレンジのしがいがありました」

そう話すのは、最新主演映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』(6月9日、Prime Videoにて独占配信開始)で次第に目が見えなくなる漫画家・泉本真治を演じた山下智久(38)。

視覚障害者の話を聞いたり、目隠しをして日常生活を送ったりとさまざまな方法で役をつかんでいった。

「いちばん意識したことは、手の動きです。目が見えないと本当に音だけが頼りで、匂いや感触というものに敏感になることを実感して、この作品のテーマでもある“何かを失えば何かを得る”とは真理を突いているなあと思いました」

約6年ぶりとなるラブストーリーは、生まれつき聴覚障害のある相田響(新木優子)とのせつなくも温かい愛にあふれた物語だ。

「真治が彼女に引かれたのは、目が見えなくても感じられるほどの大きくて深い愛があったからだと思います。自分のことよりも相手のことを大切に思えるってすごく素敵だし、そんな女性がいたら心が動かされますよ」

30代の恋愛は、20代とは違うとも。

「若いときはドキドキした気持ちのほうが勝っていたけれど、大人になると、人としてきちんとした土台があって、知識も経験も豊富かどうかを重要視するようになりました。人生において、好きな人と時間を共有したいと思えばそれは本物だと思います」

高校時代に映画『私の頭の中の消しゴム』を見て以来、ファンだったイ・ジェハン監督とタッグを組んだ本作。「いい意味で文化の壁を越えられた」と語る山下に今後の展望を聞いた。

「国、場所を問わず、いろんな方と仕事をしていきたいという思いは変わらないですね。いい作品、いい役にめぐり合えたとき、ちゃんとその役と向き合えるように自分を高めておくということは続けていきたいと思います」

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