豊後高田市のギャラリー「ホテル清照別館」、来館50万人を突破【大分県】

50万人目となった石田さん家族(中央)と大分石油の永岡恵一郎相談役(左端)、ホテル清照別館の河野政好参事=豊後高田市新町
来館者が50万人を突破したホテル清照別館
館内と展示品

 【豊後高田】豊後高田市新町の昭和の町商店街にあるギャラリー「ホテル清照別館(旧共同野村銀行社屋)」が、来館50万人を突破した。昭和初期の歴史的建造物で、2004年から古い紙幣や貨幣、地域の歴史が分かる資料の展示施設として、無料開放している。運営者は「地域のにぎわい創出に今後も貢献していきたい」と話している。

 施設は1933(昭和8)年、地元の豪商・野村礼次郎が共同野村銀行の社屋として建てたとされ、93年まで西日本銀行高田支店として使われていた。木造で高さ約13メートルの吹き抜け、モダンな紋様を施した軒、波板ガラス、金庫室などが建設当時のまま残る。

 現在は大分石油(大分市)が所有。2004年から近くにあるホテル清照の別館と位置付け、ギャラリーにした。昭和の貨幣・紙幣、珍しい軍票や在外銀行券、世界各国の貨幣などを展示。国東半島の歴史を紹介するコーナーもある。建物は09年に国登録有形文化財になった。

 50万人目は旅行で訪れた北九州市の自営業石田徹さん(48)、久美子さん(37)、麗人さん(16)親子。5月27日、大分石油相談役の永岡恵一郎さん(90)から記念品を贈られ、徹さんは「ずっと来たかった昭和の町でこのような機会に恵まれてうれしい」と喜んだ。

 永岡さんは「地元に貢献できればと開設して約20年になる。これからも多くの人に楽しんでもらいたい」と述べた。

 開館は月~水曜が午後1時~4時半、木、金曜が正午~午後4時、土日曜は午前10時~午後4時半。閉館日は第2、第4火曜。

 問い合わせはホテル清照別館(0978.22.1182)。

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