大災害、つらい…さいたまでも冠水、浸水 国道の通行止め、乗用車の水没も 緑区の芝川周辺、2019年も被害

国道463号沿いの側道で浸水していた乗用車=3日午前9時15分ごろ、埼玉県さいたま市緑区

 2日から3日にかけて強い雨をもたらした台風2号や前線による影響で、埼玉県内では越谷市など計7市町に64カ所の避難所が設置された。3人が軽傷を負い、戸田市などで床上浸水が3件、草加市などで床下浸水が14件報告された。県は3日午前に大野元裕知事を本部長とする災害対策本部を設置し、草加市と越谷市、松伏町に災害救助法を適用することを決めた。

■さいたまで車や工場浸水「仕事できない」

 埼玉県さいたま市緑区の芝川に架かる念仏橋近くの国道463号が冠水し、一時通行止めになった。道路脇の「浦和くらしの博物館民家園」(緑区下山口新田)の敷地内も冠水し、市は当面の間、休園すると発表した。2019年の台風19号でも浸水し、被害が出たという。近くの側道では、乗用車1台が浸水していた。けが人はいなかった。

 近くの製造業黒須正男さん(62)が経営する工場内も浸水し、従業員らが水の掃き出しや掃除に追われていた。段ボール箱のぬれた状況から、20センチ以上浸水したという。台風19号でも機械やシャッターに損害が出たため、建設中の調整池の早期整備を訴えている。黒須さんは「大災害、つらいよ。浸水で仕事ができない。仕事ができないと飯を食えない。何とかしてほしい」と話していた。

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