即興描画と能楽共演 茨城・小美玉 安部田さん、久田さんがライブ

画家の安部田保彦さん(右)と能楽師の久田舜一郎さんがコラボしたライブペイント=石岡市府中

茨城県小美玉市在住の画家、安部田保彦さん(63)と国の重要無形文化財保持者で小鼓奏者の能楽師、久田舜一郎さん(79)が即興の描画と能楽でコラボするライブペイントが3日、石岡市府中の香丸資料館で開かれた。同日始まった安部田さんの個展の開幕イベント。

安部田さんは筑波大で油彩画を学び、卒業後は茨城県を拠点に活動してきた。ジャズバンド「渋さ知らズ」に帯同するなど、国内外で即興描画のパフォーマンスを行っている。

ライブペイントで、久田さんが能の演目「桜川」を名調子で歌いながら小鼓の軽快なリズムを響かせると、安部田さんはその歌声、音と観客の反応から絵の発想を膨らませ、墨汁が付いた筆を白い布に滑らせた。

約1時間で仕上げた墨絵について、安部田さんは「歌に引っ張られて、母、涙、川が見えてきた。それぞれの具象が重なって形になった」と満足げに振り返った。

「安部田保彦絵画展」は同所で10日まで。動物や自然などを描いた油彩画、水彩画など24点を展示する。午前11時~午後5時。

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