茨城・大子のだいご小 不審者から身を守れ 県警と連携 児童ら逃げる体験

20メートルを走って逃げ切る体験をする児童=大子町大子の町立だいご小

茨城県大子町大子の町立だいご小(清水洋太郎校長、児童228人)で5月26日、不審者が校内に侵入したという想定で避難訓練が行われた。県警本部や大子署などと連携して行われ、児童や教職員は、避難の手順を確認し、不審者から逃げる方法などを学んだ。

訓練は、休み時間に子どもたちが校庭で遊んでいる時に実施。南門付近から不審者役に扮(ふん)した警察官が現れると、いち早く発見した教頭と教員が2人で歩み寄り、「どちらさまですか」「何かご用ですか」などと声をかけながら、侵入を引き止めた。

この間、他の教員が校内に駆け込み、児童がパニックにならないように不審者から離れた場所に避難させ、同時に110番通報。間もなく警察官が駆け付け、不審者を取り押さえた。

また、不審者から言葉巧みに声をかけられた時の対応も学んだ。スクールサポーターが「校長の友達」「お父さんと一緒の会社」などと名乗り、近づいて来る事例を示し、距離を取って近づかない、絶対についていかない事を確認した。

さらに、県警本部生活安全総務課は、不審者から逃げるための目安として、「20メートル逃げ切れば、諦める可能性が高い」という研究結果を基に、実際に子どもたちが走って逃げる体験も行った。6メートル離れた不審者が追いかけてくる中、児童代表の4人が20メートルを全力で走って逃げ切った。

6年の稲葉光希君と高橋咲希さんは「ランドセルで走って逃げる練習は、感覚がつかめたので良かった」「今回の訓練で、気付いた点や気を付けなくてはならないことがいっぱいあると分かった」とそれぞれ感想を話した。清水校長は、児童に「長野県で不審者が校内に侵入したり、地域で立てこもったりする事件が続けて発生した。このような事件は、いつ、どこで起こるか分からない。そんな時でも、自分の安全を自分で守れるように常に心がけてほしい」と呼びかけた。

訓練で不審者の引き止めを行う教職員ら=大子町大子の町立だいご小

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