【深ヨミ】スピッツ『ひみつスタジオ』の初週地域別販売動向を前作と比較調査

2023年5月24日公開のBillboard Japan週間アルバム・セールス・チャート“Top Album Sales”(集計期間:2023年5月15日~5月21日)で、スピッツ『ひみつスタジオ』が74,456枚を売り上げて2位にチャートインした。

5月17日にリリースされた『ひみつスタジオ』はスピッツの17thオリジナル・アルバムで、シングルの「紫の夜を越えて」、「大好物」、「美しい鰭」を含む全13曲が収録されている。また、本作は2019年10月にリリースされた16thアルバム『見っけ』以来、約3年7か月ぶりのオリジナル・アルバムとなっている。

ここでは、SoundScanJapanの販売データを使用し、スピッツの上記2作のアルバムの販売動向を調査した。図1(https://www.billboard-japan.com/d_news/image/126011/2)は2019年にリリースされた『見っけ』と2023年にリリースされた『ひみつスタジオ』の実店舗での発売初週の地域別販売比率のグラフとなる。

グラフを見てみると、『ひみつスタジオ』は前作『見っけ』とかなり近い販売比率となっている。関東地方の数値が共に30%以上(『見っけ』は38%、『ひみつスタジオ』は35.5%)を記録していて、その他の地域と比べて突出していることが目に入る。

関東に次いで大きな割合を占めているのが近畿地方と中部地方だ。そのうち中部地方は『見っけ』発売時には10.2%だったが、今回は12.7%に増加している。それ以外の地域でも、他に北海道、甲信越、北陸の3地方で数値が増加しているなど、占有率に変化が見られる。

『ひみつスタジオ』の収録曲には、劇場版『名探偵コナン』シリーズ最新作『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の主題歌で、総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”を含む複数のチャートで好成績を残している「美しい鰭」が含まれている。全国で公開されている人気映画との楽曲タイアップも複数の地域において占有率の増加が見られる要因の一つとなっているのかもしれない。

全体的に比較すると似た販売動向の両作。『見っけ』がリリースから3か月以上の間、週間アルバム・セールス・チャートにチャートインし続けたという前例があることから、『ひみつスタジオ』も同様に長期的なチャートアクションを記録する可能性を持っているだろう。今後も同作の動向に注目したい。

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