「言語超え、ウチナーンチュをコネクトする役に」 ウルグアイ留学を終えた鈴木さん(那覇出身、上智大4年)

 那覇市首里出身で上智大学外国語学部イスパニア語学科4年次の鈴木礼さん(22)が、南米ウルグアイの首都モンテビデオにあるウルグアイ・カトリック大学への、1年間の交換留学を終えた。

 鈴木さんは上智大学でスペイン語やラテンアメリカの政治と文学などを専攻する。留学先の大学ではウルグアイ文学と政治、政教分離、ラテンアメリカの法律入門などをスペイン語で学んだ。留学当初は苦労したといい、チリ留学の経験と比較し「同じ南米でも人々の暮らしや価値観が違う。日本人もアジア人もいない。親しんでいる文化がゼロの状態で住むのがこんなにも難しいのかと思った」と、留学前にイメージしていた理想が崩れたことを振り返る。「外国人の留学生との関わりも多く、異文化コミュニケーションというか、言語も文化も違う人と一緒に時間を過ごし、意見を交換することの難しさと大切さに改めて気づいた」と話す。

 鈴木さんは開邦高校へ進学後、高校生を対象とした県費留学事業で1年間、南米チリに留学した。その時にチリが好きになり、上智大学がチリの大学と交換留学協定を結んでいることから進学を決めた。大学に入学すると「日本で認知度が低い国で学びたい」と思うようになり、南米大陸の南東部に位置する、ウルグアイの大学への交換留学を決意した。

 留学中はウルグアイでの勉学以外に、他の南米の国にも訪れた。隣国アルゼンチンを訪れ、在アルゼンチン沖縄県人連合会(COA)のイベントの手伝いをした。「南米のウチナーンチュを訪ねる旅」を企画し、ブラジル、ペルー、ボリビアの3カ国4都市を回るなど積極的に行動した。

 日本へ帰国後は「縁とタイミングがあれば他の南米の国で学びたい。得意な分野を生かして、言語を超えたウチナーンチュをコネクトするパイプ役を担いたい」と話した。

(安里三奈美通信員)

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