ライバルの一打に脱帽 中島啓太「金谷さんが一番いいプレー」

“盟友”との熱き18ホール(撮影/和田慎太郎)

◇国内メジャー◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 最終日(4日)◇宍戸ヒルズCC西コース(茨城)◇7430yd(パー71)◇晴れ(観衆5706人)

前週プレーオフ惜敗の中島啓太は2週連続の最終日最終組も、金谷拓実に2打及ばず2位でフィニッシュした。この日の朝に持ち越した第3ラウンドの最終18番でダブルボギー。「数字だけ見たら、あのダブルボギーが悔やまれるんじゃないかと思うんですけど、その分、ラッキーなショットもありましたし、9アンダーが今の自分のベストなのかなと思う」と言った。

中盤にスコアを落としても諦めなかった(撮影/和田慎太郎)

3バーディを先行した最終ラウンドは9番、10番と1Wショットを大きく左に曲げて2連続ボギー。優勝戦線から脱落しかけた中でも「終盤難しいホールがある、しっかり諦めずにやろう」と心は折れていなかった。花道からチップインバーディを決めた14番で力強くガッツポーズ。続く15番(パー5)でもロングパットを流し込み、ボギーとした金谷に追いついた。

バーディパットがわずかにそれる場面も(撮影/和田慎太郎)

「流れを苦しくしてしまった」と振り返った16番(パー3)の3パットボギーの直後の難関17番、ライバルが見せた一打には脱帽するしかない。金谷が左ラフから池越えのセカンドをピンそば50㎝に絡めた場面について「あそこはもう…スーパーショット。魂のこもったボールだったな、と。あそこにつけてバーディを獲った金谷さんをたたえたい」。なんとか気持ちを落ち着かせ、自らも納得のショットでチャンスメークしたが、バーディパットはわずかにカップをそれた。

最終日最終組も2位も2週連続(撮影/和田慎太郎)

2学年上の先輩とは、キャリアの節目でライバルとして競い合ってきた。15歳で決勝まで進んだ2015年「日本アマ」、18年「アジアアマ」、21年の国内ツアー「東建ホームメイトカップ」…。いずれも優勝は金谷だった。「先週に引き続き最終日最終組で、僕も金谷さんも我慢強くプレーできた。ソン・ヨンハンさんも終盤まで粘り強いゴルフで、3人で最終組を盛り上げられた。今週天気も荒れていた中で気持ちを切らさずにプレーできた3人が最終組に入ったと思いますし、気持ちの強さは誇りに思いたい」

好ゲームを演じられた手応えはあるが、やはり「悔しいですよ」というひと言に尽きる。「今週、一番いいプレーをしたのが金谷さんということ。僕が一番いいプレーをして優勝する日を想像しながらトレーニングしたい」。潔く、そしてはっきりとリベンジを誓った。(茨城県笠間市/亀山泰宏)

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