[村上市長選挙・新潟]3人が立候補を届け出、人口減対策や行財政改革など争点 新人・吉川美貴氏、斎藤寿明氏、現職・高橋邦芳氏の争いに

左から届け出順に吉川美貴氏、斎藤寿明氏、高橋邦芳氏

 任期満了に伴う新潟県の村上市長選挙が6月4日告示された。いずれも無所属で、サケ加工販売会社専務で新人の吉川美貴氏(56)、元山北町議で新人の斎藤寿明氏(75)、3選を目指す現職の高橋邦芳氏(63)の3氏が立候補を届け出た。

 8年ぶりとなる選挙戦では、2期8年の高橋市政の継続か刷新かを軸に、深刻な過疎による人口減対策や行財政改革などが争点となる。

 吉川美貴氏は市内三之町の藤基神社で支援を受ける新潟県議、村上市議と支持者らを前に第一声を上げた。喫緊の課題に行財政改革を挙げつつ「緊縮財政ではなく、まちに活力を付け、税収アップで立て直していく」と主張。1次産業の高付加価値化などの活性化策を訴えた。

 斎藤寿明氏は市内の上町(かんまち)で第一声。現職の政治手法を「トップダウン」と批判し、「政治が出しゃばるのではなく、市民の力を支え、市民の思いを実現する。これが政治だ」と力を込めた。JR村上駅周辺開発の必要性などに触れ、「夢を語れる町にしよう」と呼びかけた。

 高橋邦芳氏は市内飯野3の事務所前で第一声を上げ、経済分野の発展や新型ウイルス対応などの実績を強調した。県北豪雨からの早期復旧を掲げつつ、「8年間で積み上げてきたものを今以上の高みへと上げていく」と語った。自民党の国会議員や新潟県議もマイクを握った。

 村上市長選とともに告示された市議補欠選挙(欠員1)には、立候補の届け出がなかった。公選法上、欠員4以上などにならない限り再度の補選は実施されない。

 6月3日現在の選挙人名簿登録者数(有権者数)は4万8965人。

◇村上市長選立候補者(届け出順)

吉川美貴(きっかわ・みき) 56 サケ加工販売会社専務 無新

斎藤寿明(さいとう・としあき) 75 無職 無新

高橋邦芳(たかはし・くによし) 63 市長 無現(2)

【吉川美貴氏略歴】サケ加工販売会社専務(県教育委員、会社員)小町。大阪教育大卒。

【斎藤寿明氏略歴】無職(学習塾経営、山北町議1期)勝木。早大卒。

【高橋邦芳氏略歴】市長(市議会事務局長、同次長、市総務課長補佐)泉町。村上高卒。

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