愛犬の心が壊れてしまう『最悪な行動』4つ 飼い主が絶対にしてはいけない最低な行為とは?

犬にも心があります

動物行動学などさまざまな分野で、犬には喜びや悲しみ、怒りなどの感情があることが証明されています。犬にも心があるのです。

つまり、飼い主さんとの生活において、犬は「うれしい」「安心」と思うこともあれば、飼い主さんの間違った行動や接し方で傷ついてしまうこともあります。

少しショックを受けても、時間が経てばすぐに元の信頼関係に戻れるようであれば問題ありませんが、強いストレスや不安、恐怖を与え、犬の心が壊れてしまうような行動は避けるべきです。

愛犬の心が壊れてしまう「最悪な行動」とは

今回は、愛犬の心を壊してしまう「最悪な行動」についてご紹介します。無意識にこのような行動をしてしまっている可能性もありますので、ぜひご自身を確認してみてくださいね。

1.犬に対して無関心

一緒に過ごしているのにスマホやテレビなど他のことに夢中で、「構って欲しい」という犬のメッセージを無視し続けてしまった経験はありませんか?

人間でも無視されると傷つきますよね。犬もこのようなことが続くと、飼い主が自分に関心がないと誤解してしまい、心が傷つきます。また、犬の体調の変化に気付きにくくなるため、病気やケガの発覚が遅れてしまう可能性もあります。

誰にでも「忙しくて今は犬にかまってあげられない」ということはあると思います。そのようなときは、「ごめん、また後でね」と声掛けをしたり、「気付いているよ」とアイコンタクトをとるようにして、「無視しているわけではない」「大好きだよ」ということを伝えましょう。

そして余裕が出来て落ち着いたら、しっかり遊びやスキンシップができるコミュニケーションの時間をとってあげてくださいね。

2.犬に対する態度がコロコロ変わる

飼い主も人間ですから、イライラしたり上機嫌になったりすることもありますよね。ただ、そのような自分の感情の変化のままに、犬の扱いや犬に対する態度をコロコロと変えてしまうのは、犬のためにもよくありません。

例えば、普段はしてはいけないことを愛犬がしてしまったとしても、自分の機嫌が良いからと叱らなかったり、特に普段は問題のない行為なのにたまたま機嫌の悪いタイミングだったせいで大きな声で怒鳴るなど、飼い主側が一貫しない行動・態度をとってしまうと、される側の犬は混乱してしまいます。

何をしていいのか、何がいけないのか判断がつかない中で生活するのは、犬にとってとても辛いことで、精神的にも不安定になってしまうかもしれません。犬の心を守るためにも、飼い主としての態度やルール、しつけは、飼い主の感情でコロコロ変えないようにしましょう。

3.暴力をふるう

「しつけ」と称して叩いたり、蹴ったりなどの暴力をふるうのは絶対にやめてください。犬の体が傷つくだけでなく、大好きな飼い主さんにそのような行為をされて、心も深く傷ついてしまいます。

『犬のしつけは、正しい行動を褒める』というのが現在の主流であり、体罰として暴力をふるってしつけるという考えは、いまやしつけではなく、虐待行為としてみなされます。

また、その行動が愛犬のトラウマになってしまうと、人間がスキンシップをとるために手を近づけるそぶりをするだけでもひどく怯えたり、威嚇したりするようになることもあります。そうなると、飼い主への不信感のみならず、いざという時の病院での診察を困難にしてしまうかもしれません。

犬に暴力をふるうのは、絶対にやめましょう。

4.飼育を放棄する

「引っ越し先がペットNGだから」「大きくなって可愛くなくなったから」「高齢になって散歩が面倒になった」など飼い主さんの身勝手な理由で愛犬を手放すという行為は、犬の心を深く傷つけ、壊してしまいます。

大好きな飼い主さんに裏切られ、捨てられることで人間に対して心を閉ざしてしまうケースも多くあります。

犬は、最期のときまで飼い主さんと生活することを望んでいます。「可愛いから」と安易に犬を飼うのは避けましょう。「犬が命を終えるそのときまで、適正な環境で最期まで責任を持って飼う」という覚悟をしっかりと持った上で、犬を迎え入れるようにしてください。

まとめ

今回は、愛犬の心が壊れてしまう「最悪な行動」についてご紹介しました。

犬にも感情や知性があり、飼い主さんの身勝手な行動や行為が、犬の心を深く傷つけてしまうということがおわかりいただけたことでしょう。

愛犬の一度傷ついた心を回復するのは、飼い主であっても大変です。今回ご紹介したような行動は避け、犬の気持ちに寄り添って行動していってくださいね。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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