神奈川・三浦の小学校で真珠づくり授業打ち切り 実施のNPO法人が反発、感謝状を返還  

出口理事長(左)から感謝状を返される及川教育長(右)=1日、三浦市役所

 海洋教育の一環として、神奈川県三浦市内のNPO法人「小網代パール海育隊(小パール隊)」が市立名向小学校(同市三崎町諸磯)で実施してきた真珠づくりの授業が、2023年度から実施されないことになった。カリキュラムの見直しに伴い学校が一部授業を見送ったことに同法人側が反発。市教育委員会からの感謝状を返還する異例の事態となっている。

 小パール隊は15年に発足。海の環境に興味を持ってもらおうと、市内の小中学校でアマモの授業やマダイの放流など海洋教育に関する授業をしてきた。   

 特に、地元の名向小では総合的な学習の時間を利用して5年生が真珠の元になる核をアコヤガイに入れたり、6年生が収穫を体験したりする授業を実施。児童たちは、自分たちで取り出した真珠の飾りを胸に卒業していった。

 これら海洋教育の体験活動に長年尽力してきた功績をたたえ、同市教委の及川圭介教育長は今年3月、出口浩理事長に感謝状を贈った。

 ところが、本年度の準備に取りかかる4月に入り、市教委から名向小5年生の真珠の核入れなどを見送るという連絡があった。同校以外の児童らを含めて授業時間外で実施してほしいという内容だった。

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