ローマがディバラ土壇場PK弾でEL出場権確保! スペツィアはヴェローナとの残留プレーオフへ《セリエA》

[写真:Getty Images]

セリエA最終節、ローマvsスペツィアが4日にスタディオ・オリンピコで行われ、ホームのローマが2-1で勝利した。

ミッドウィークに行われたセビージャとのヨーロッパリーグ(EL)決勝にPK戦の末に敗れ、悲願のEL初制覇を逃した失意のローマ。今シーズンのホーム最終戦では、残留圏内ギリギリの17位スペツィアを相手に、リーグ8戦ぶりの白星での6位フィニッシュ、EL出場権確保を狙った。

サスペンションでベンチ入り禁止となったモウリーニョ監督はセビージャ戦から先発5人を変更。GKをスヴィラールに代えたほか、ボーヴェやエル・シャーラウィ、ベロッティを起用。並びを[4-2-3-1]に変更した。

満員のオリンピコの声援を後押しに力強い入りを見せたかったローマだったが、いきなり出ばなを挫かれる。6分、スペツィアのFKの二次攻撃からボックス手前右のブラビアに強烈なシュートを打たれると、ファーにフリーで飛び込んだニコラオウにドンピシャのヘディングシュートを叩き込まれた。

早々にビハインドを背負って苦しくなったローマはすぐさま反撃を開始。ディバラとペッレグリーニを起点にアタッキングサードでアクセントを付けると、15分には波状攻撃からエル・シャーラウィがボックス手前で鋭いミドルシュートを放つ。だが、これは惜しくもクロスバーを叩いた。

その後は70%のボール支配率で相手を自陣に押し込んだローマ。後ろ重心で中央の危険なスペースを消す相手に外回りの攻撃を強いられ、なかなか決定機まで持ち込めず。また、得意のセットプレーも相手の身体を張った守備にことごとく撥ね返される。

それでも、焦れずに攻め続けるジャッロロッシは前半終了間際に追いつく。43分、左サイド深くでのスローインの流れからザレフスキが右足インスウィングでゴールへ向かうクロスを供給。ゴール前で反応したペッレグリーニとボーヴェがスクリーンの役割を担うと、クロスがそのままゴール右隅へ決まった。

苦しみながらも1-1のイーブンで試合を折り返したローマ。後半はチェリクに代えてディエゴ・ジョレンテを投入し、[3-4-3]に並びを変えてきた。

後半もキックオフ直後こそバタついたものの、徐々に試合の流れを掴むと、54分にはザレフスキが右サイドで上げたクロスにファーでフリーのペッレグリーニが飛び込むが、ボレーシュートを枠に飛ばせない。

徐々に試合が膠着し始める中、64分にはボーヴェとベロッティを下げてマティッチとエイブラハムの主力を投入。この交代直後にはボックス内に抜け出したディバラに絶好機も、左足のシュートはわずかに枠の右へ外れた。

均衡が保たれたまま試合は後半半ばに突入。すると、他会場で7位のユベントスが先制したとの情報が入り、ローマはEL出場権獲得へ勝利が絶対条件に。そして、チームはここからリスクを冒して前に出るが、大きなアクシデントが発生。

背後へのランニングの際にDFアンパドゥと接触したエイブラハムが左ヒザを負傷。じん帯損傷などの重傷の可能性が高いイングランド代表FWはストレッチャーカーに乗せられてピッチを後に。これを受け、ローマベンチはスピナッツォーラと共に後ろの枚数を削ってワイナルドゥムを投入した。

その後、専守防衛のスペツィアに対して猛攻を仕掛けるも、ディバラの決定的なシュートがGKズートの驚異的なセーブに阻まれるなどゴールが遠い。だが、オリンピコの大声援を後押しに最後まで戦うローマは88分、ボックス内に抜け出したエル・シャーラウィがDFアミアンのファウルを誘ってPK獲得。そして、EL出場権が懸かるこのPKを百戦錬磨のディバラがきっちり決め切った。

このプレーで2枚目のカードをもらったアミアンが退場となったものの、スペツィアはヴェローナとの残留プレーオフ回避へここから前がかって攻めてくる。これに対して、ローマは再三のカウンターチャンスをモノにできなかったが、何とかリードを守り切った。

そして、リーグ戦8試合ぶりの勝利でEL決勝敗戦の悪夢を払しょくしたローマが、6位でのEL出場権獲得に成功。敗れたスペツィアは11日に残留を懸けた大一番に臨むことになった。

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