カイコたくさん育て! 富山市八尾地域で卵9000個「山つけ」

天蚕の卵が貼られた紙をクヌギの枝に固定する参加者=富山市八尾町の外雲地区

 富山市八尾地域の外雲(がうん)地区で「天蚕(てんさん)」と呼ばれる野生種のカイコを育てる「県がうん天蚕の会」(友咲貴代美会長)は4日、同地区の畑で、カイコの卵を餌となるクヌギの枝につける「山つけ」の作業を行った。

 天蚕は光沢のある黄緑色の繭を作り、その糸は「糸のダイヤモンド」とも呼ばれる。天蚕の会は、かつて養蚕で栄えた八尾地域で、天蚕のブランド化と伝統の保全を目的に2009年に発足した。

 この日は山つけ用に9千個の卵を用意し、約880平方メートルの畑で作業。会員と県内の親子連れら計約20人が参加し、20個ずつ貼り付けた短冊状の紙を250本のクヌギの木の枝に巻き付け、ホチキスで留めていった。

 卵は3日~1週間でふ化し、幼虫が7月上旬ごろから葉の裏側に繭を作り始める。友咲会長(56)は「今年は1キロの生糸をつくるのが目標。ブランド化を目指し、消費者のニーズに合った製品を開発したい」と話した。

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