高校や公共施設に被害も…埼玉県で床上浸水600件、床下浸水は3000件超 被害最多は「内水氾濫」発生の越谷市

埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 2日から3日にかけて記録的豪雨をもたらした台風2号や梅雨前線の影響について、埼玉県は4日、同日午後5時時点で県内で床上浸水603件、床下浸水3114件を確認したと発表した。県は同日午後1時、特に被害が甚大だった草加市と越谷市、松伏町の2市1町に対し、支援ニーズなどの情報共有を行う「リエゾン」として、県職員を各1人派遣した。

 住家被害の内訳は、床上浸水が越谷市500件(概数値)、松伏町100件(同)、戸田市、草加市、三郷市で各1件。床下浸水が越谷市2400件(概数値)、松伏町700件(同)、草加市9件、三郷市3件、ふじみ野市2件だった。

 最も被害が大きかった越谷市によると、市内を流れる新方川周辺地域で、排水が雨量に追い付かずに建物などに浸水する「内水氾濫」が発生したことが被害件数を押し上げたとみられるという。同市では5日から、罹災(りさい)証明の発行手続きを受け付ける。

 県は草加市と越谷市、松伏町に災害救助法を適用することを決めた。大雨被害で3人が軽傷を負い、道路や公共施設が冠水したほか、県立越谷東高校で停電が発生中。県東部を中心に、農作物の浸水被害状況についても確認を進めている。

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