暑さ不慣れ、熱中症注意 建設現場で水分補給が習慣化

視察に訪れたビル建設現場で、現場責任者(左)から熱中症対策などの説明を受ける愛知労働局の代田雅彦局長=5月、名古屋市

 日本列島は各地で梅雨のシーズンを迎えている。気象庁はこれまでに、東海、近畿、中四国、九州北部・南部、沖縄・奄美が梅雨入りしたとみられると発表。今後、気温や湿度が高まる一方、体は暑さに十分に慣れていないため、専門家は、屋外活動の際は熱中症に注意するよう呼びかける。建設現場では、水分補給を習慣化するなどの取り組みが始まっている。

 5月下旬、名古屋市中区で建築中の大規模オフィスビルの現場。所々には、水分を取る習慣を付けてもらおうとスポーツドリンクの飲料タンクを置き、塩分補給用のあめやタブレット菓子も用意する。完成したフロアの一角には、暑さを軽減させるために霧状の水をまく「ミストシャワー」を設置。愛知労働局は建設業への熱中症予防の指導を強化している。

 厚労省の集計では2018~22年の5年間に、職場で熱中症になり亡くなった人は125人。休業が4日以上になった人と合わせると4354人に上る。ほぼ7~8月に集中しているが、6月も415人と1割程度を占めた。業種別だと、建設業が916人で最多だった。

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