【臼杵】臼杵市佐志生小保護者でつくる「佐志生PR(ぷろでゅーす)」(梅田能史代表、9人)は、同地区への移住定住促進に取り組んでいる。空き家バンク制度の周知や、交流サイト(SNS)を活用した魅力発信などに力を注ぐ。少子高齢化が進む中、若年世代を呼び込み、地域の維持活性化を図りたい考え。
市教委によると、佐志生小の児童数は15人(5月1日現在)で市内最少。地域の未来を担う子どもが減り続けている現状に危機感を覚えた保護者が、2021年に同団体を立ち上げた。
月1回会議を開き、子育て世帯の移住につながる取り組みを協議。インスタグラムなどで地域の風景や学校行事を紹介し、佐志生の生活や魅力を伝えている。
市の空き家バンク制度周知にも努める。同団体によると、地区内には空き家や空き地はあるものの▽所有者の許可が下りない▽所有者が不明―といった理由で活用されていない物件が数多くあるという。
制度への理解や所有者の把握につなげようとチラシを作り、市のパンフレットと一緒に地区内全戸に配布。空き家バンクへの登録を促し、移住者を受け入れる土台の強化を図る。
3月に大分市から一家5人で移住した後藤桂太さん(40)は「子どもたちが環境の変化に戸惑わないか心配したが、濃厚な人付き合いが楽しいようだ。佐志生の地で心豊かな子に成長してほしい」。後藤さんは同団体にも加わり、メンバーの一人として精力的に活動している。
今後、地域の現状や課題を分かりやすく伝える住民向けの動画を制作する予定。メンバーの伊賀上賢次さん(40)は「集落を維持するためには住民一人一人が自分ごととして課題に向き合うことが重要。子どもたちが安心して育つ環境を守っていきたい」と話した。