【米ビルボード・アルバム・チャート】テイラー・スウィフト『ミッドナイツ』首位返り咲き、カントリー作品がTOP10に5作ランクイン

テイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』が返り咲き、通算6週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

2022年10月21日にリリースされた『ミッドナイツ』は、11月5日付で1位に初登場して、翌12日、11月26日~12日5日付の計5週をマークした後、先週(6月3日付)まで32週間連続でTOP10にランクインして、今週約半年ぶりに首位に返り咲いた。

今週上昇したのは、5月26日に新曲を追加した『ミッドナイツ(The Til Dawn Edition)』をリリースからで、本作にはスタンダード・エディションに収録された13曲、3am Editionに収録された7曲に加え、ラッパーのアイス・スパイスをフィーチャーした「カルマ」のリミックス、ラナ・デル・レイのパートを増やした「スノウ・オン・ザ・ビーチ」、Target限定のCDにのみ収録されていた「ヒッツ・ディファレント」の3曲が追加されている。

同日5月26日に米ニュージャージー州イースト・ラザフォードで開催された【The Eras Tour】の公演では、「カルマ feat. アイス・スパイス」のミュージック・ビデオを初公開し、アイス・スパイスがサプライズ出演したライブ・パフォーマンスも披露した。

また、同日5月26日にはライブ会場でのみ販売された『ミッドナイツ(The Late Night Edition)』を発表。本作には、スタンダード・エディションに収録された13曲、3am Editionに収録された7曲のうち5曲、「カルマ feat. アイス・スパイス」と新録の「スノウ・オン・ザ・ビーチ」、それから未発表曲の「ユア・ルージング・ミー (From the Vault)」が収録されている。

『ミッドナイツ(The Late Night Edition)』のCDは、会場のグッズ・スタンドでのみ10ドルで販売されていて、デジタル・ダウンロードは公式ウェブサイトで24時間限定(米東部時間5月26日午後8時~5月27日午後8時まで)でリリースされたが、現在はダウンロード、ストリーミングいずれも不可となっており、未発表曲「ユア・ルージング・ミー (From the Vault)」を含め正式なリリース日は発表されていない。

さらに、同5月26日にはスタンダード・エディションのパープル・マーブル・カラーのアナログ盤を再発売している。本作は以前公式サイトで期間限定で販売されたが、独立系レコードショップで一般販売されるのは今回が初となる。

『ミッドナイツ(The Til Dawn Edition)』、『ミッドナイツ(The Late Night Edition)』、パープル・マーブル・カラーのアナログ盤のリリース効果により、週間ユニットは先週から389%増加の282,000に急増。2023年の記録としては、モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』が1位に初登場した3月18日付の501,000に次ぐ、2番目に高い週間ユニットを更新している。

今週獲得した282,000ユニットの内訳は、アルバム・セールスが196,000(1,529%増加)、アルバム・ストリーミングが80,000(79%増加)、トラックによるユニットが6,000(618%増加)で、週間セールスとしては現時点での2023年最大の売上を記録している。また、本作が1位に初登場した2022年11月5日付の111万4,000枚以来の高セールスも更新した。デラックス盤のリリース効果により、週間ストリーミングも1億760万回に急上昇している。

『ミッドナイツ』が先週の3位から1位に上昇したことで、初登場から12週間トップを維持していたモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(126,000ユニット / 2%減少)は今週2位にダウンしたが、初登場からの記録としては、カントリー・アルバム(定義はカントリー・アルバム・チャートにランクインした作品とする)の史上最長記録、連続記録としてはビリー・レイ・サイラスの『サム・ゲイブ・オール』が17週連続(1992年6月13日~10月3日付)をマークして以来、約30年ぶりの記録を更新している。

続いて今週3位には、米イリノイ州シカゴ出身のラッパー=リル・ダークの新作『オールモスト・ヒールド』が初登場。本作は、昨年3月に発表した『7220』から約1年ぶり、8枚目のスタジオ・アルバムで、Billboard 200でのTOP10入り(内2作が1位)を6作目に更新した。

『オールモスト・ヒールド』の初動ユニットは125,000で、その内訳はアルバム・ストリーミングが122,000(1億6,782万回)、アルバム・セールスが2,000、トラックによるユニットは1,000をそれぞれ記録した。週間ユニットとしては、リル・ベイビーとのコラボレーション・アルバム『ザ・ヴォイス・オブ・ザ・ヒーローズ』が1位に初登場した2021年6月19日付の150,000に次ぐ2番目の記録で、自身のタイトルとしては自己最高記録を更新している。

先週2位に再浮上したシザの『SOS』(55,000ユニット / 29%減少)は今週4位に、モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(48,000ユニット / 2%増加)も4位から5位にそれぞれ順位を下げ、6位はテイラー・スウィフトの『ラヴァー』(38,000ユニット / 1%減少)が同位をキープ。先週8位に再浮上したルーク・コムズの『ゲッティン・オールド』(33,000ユニット / 4%減少)は7位に順位を上げた。

また、先週TOP10復帰したバッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』(33,000ユニット / 3%減少)も9位から8位、ザック・ブライアンの『アメリカン・ハートブレイク』(31,000ユニット / 1%減少)も10位から9位にそれぞれワンランクアップし、10位はベイリー・ジマーマンの『レリジョスリー.ジ・アルバム.』(30,000ユニット / 4%減少)が先週の11位から上昇し、再ランクインを果たしている。

上記の通り、今週は以下のカントリー・アルバム5作がTOP10にランクインした。カントリー・アルバムがTOP10に5作以上ランクインしたのは、2013年10月5日付以来、約10年ぶりのチャート・アクションとなる。

2023年6月10日付
2位 モーガン・ウォレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』
5位 モーガン・ウォレン『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』
7位 ルーク・コムズ『ゲッティン・オールド』
9位 ザック・ブライアン『アメリカン・ハートブレイク』
10位 ベイリー・ジマーマン『レリジョスリー.ジ・アルバム.』

2013年10月5日付
2位 ジャスティン・ムーア『オフ・ザ・ビーテン・パス』
3位 クリス・ヤング『A.M.』
6位 ルーク・ブライアン『クラッシュ・マイ・パーティ』
8位 キース・アーバン『フューズ』
10位 ビリー・カーリントン『ウィー・アー・トゥナイト』

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは6月9日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ミッドナイツ』テイラー・スウィフト
2位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
3位『オールモスト・ヒールド』リル・ダーク
4位『SOS』シザ
5位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
6位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
7位『ゲッティン・オールド』ルーク・コムズ
8位『Un Verano Sin Ti』バッド・バニー
9位『アメリカン・ハートブレイク』ザック・ブライアン
10位『レリジョスリー.ジ・アルバム.』ベイリー・ジマーマン

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