福山生徒会連合 ~ 全国でも例がない「学校をこえた生徒会のつながり」に期待!

2023年5月20日(土)、広島市内でG7広島サミット2023が開催され世間の注目を集めていたさなかに、福山でひとつの組織が生まれました。

その名は「福山生徒会連合」。

高校の生徒会が学校の枠を飛びこえて横につながり、自分たちの学校や福山を盛り上げていこうと動き始めています。

どんな経緯で福山生徒会連合が生まれたのか、これから何をしようとしているのか。

発足式で語られた高校生たちの熱い「想い」を紹介します。

福山生徒会サミットで「生徒会連合」結成を宣言

2023年2月12日(土)に開催された「第1回福山生徒会サミット」には、14の高校から44人の生徒会メンバーが参加しました。

第1部では、4校が「これから実現させたいこと」について、高校生の視線ならではのプレゼンテーションを実施。

  • 学校図書館を地域に開放してコミュニティの拠点に(盈進高等学校)
  • 職業体験イベントの実施(銀河学院高等学校)
  • 生徒会連合の提案(明王台高等学校)
  • 町のなかに英語表記を増やす(英数学館高等学校)

なかでも注目は、明王台高等学校の発表でした。

彼らは新型コロナウイルス感染症拡大対策のため、生徒会活動に大変苦心をした経験から「他校の取り組みを知りたい。運営のノウハウを共有したい」との想いを抱いていました。

そこで提案したのが、複数の学校の生徒会が集まる「生徒会連合」です。

他校の生徒会と課題を共有することで、行事の企画運営をスムーズにしたり、高校生の総意を市に提案したりすることが目的でした。

生徒会サミットの締めくくりでは、ふくやま社中代表理事の小林史明こばやしふみあき)さんから、2023年5月までの生徒会連合結成が宣言されました!

生徒会サミットは「高校生の居場所を作るプロジェクト」から誕生

その生徒会サミットは、町の中に高校生の居場所を作るプロジェクト「STUily(スタイリィ)」から生まれました。

猛威を振るった新型コロナウイルス感染症は、高校生たちの生活を大きく変えました。

町の中に居場所がない、落ち着いて自習できる場所がほしい。

一般社団法人ふくやま社中が開催した創業体験プログラム「Stash(スタッシュ)」で声を挙げた高校生たちが、動き始めたのです。

高校生たちや地域の大人たちが集まって意見を交わし、たくさんの交流が生まれました。

学校の中だけでは解決できない課題も、違う学校の生徒たちや大人たちと力を合わせれば解決できることを知った高校生たち。

彼らが次のステージとして開催したのが「生徒会サミット」でした。

生徒会連合ついに発足!

福山生徒会連合の発足式が開かれたのは、2023年5月20日(土)。

STUilyの拠点のひとつとしても協力している、ソフトバンク株式会社の「せとうちTech LAB」が会場となりました。

生徒会連合に加盟しているのは、次の4校です。

  • 福山明王台高等学校
  • 近畿大学附属高等学校福山校
  • 盈進学園 盈進高等学校
  • 福山市立福山高等学校

発足式のあと、福山誠之館高等学校と福山商業高等学校が加わって2023年6月現在6校となっています。さらに6校が加盟申請中です

初代総長は生徒会連合を提案した、福山明王台高等学校の生徒会長が務めます。

発足のあいさつでは、ともに準備を重ねてきた仲間や周りの人々への感謝を語りました。

他のメンバーたちも、福山の高校生徒会の活動を活発にし、福山市を活性化したいとの意気込みを伝えます。

高校生たちは、この日に向けて「福山生徒会連合」のロゴをデザインしました。

ぐるりと輪になって固く握った手は、他のみんなと協力する姿勢を表し、真ん中の船は、人生を航海にたとえたSTUilyのイメージを踏襲しています。

規約や組織図、加盟申請の方法についても高校生たちで話し合いを重ね、決めてきました。

とくに、全国を探しても他に例が見つからない「学校をこえたつながり」に加盟するための仕組みは、参考にできるものがなかったため、多くの人の意見を聞きながら作り上げたものです。

生徒会連合の目的は「学校間での生徒会の交流を促進し、各校の生徒会活動の充実と学校の垣根をこえて活動する生徒会を理解、支持すること」。

おもな行事は、年1回の生徒会サミットの開催と、そのための定例会などです。

発足式の最後に、生徒会連合のロゴをあしらったタペストリーが披露されました。

福山らしく、デニム生地を使っています

制作には篠原テキスタイル株式会社が協力しました。

福山の高校生による、福山の高校生のための組織であることを、このタペストリーが物語っているようです。

生徒会連合が目指すもの

自分たちの学校の課題を、学校の中だけで終わらせないために、学校の垣根をこえてつながるシステムを作った福山生徒会連合。

このような取り組みの例が他にないだけに、これからどんなことを実現していってくれるのか注目が集まります。

生徒会サミットで提案されるさまざまなアイディアを実現しようとするときにも、生徒会連合の存在が大きな促進力になっていくのではないでしょうか。

今後は学校をこえた文化祭のような、大きなイベントも企画していきたいとのこと。

高校生たちの活躍をきっかけにして、それぞれの学校だけではなく、福山の町全体が元気になっていくように感じています。

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