若村麻由美、エプロン姿で「この素晴らしき世界」にクランクイン

若村麻由美が主演を務め、フジテレビ系で7月にスタートする連続ドラマ「この素晴らしき世界」(木曜午後10:00)の撮影がスタートした。

「この素晴らしき世界」は、平凡な生活を送る主婦が、ひょんなことから芸能界で活躍する大女優になりすましながら、二重生活を強いられてしまうコメディー。普段はスーパーマーケットでパートをしており、家では夫と冷め切った関係にある主婦・浜岡妙子(若村)は、ある日を境に大女優・若菜絹代としてなりすまし生活を送ることに。ストーリー前半は、平凡な主婦が家族にも内緒で女優の替え玉を演じるドタバタ劇を描くコメディー、後半部分では、芸能界や一般社会の不正や矛盾に立ち向かっていく社会派ドラマの様相を強めていく。

若村は、妙子が働くス-パー「ラビットマート」の野菜売り場でクランクイン。物語の劇中写真も、このたび初公開された。初日は白いカットソーにのエプロンというラフないでたちでのシーンが撮影された。

収録現場に到着すると、制作スタッフよりも大きな声で「これから(1クール)よろしくお願いします!」とあいさつし、若村の作品に懸ける思いが垣間見えた。撮影の合間には、監督と共に熱心に、時には笑顔で話し合いながら、初日の収録は順調に進んでいった。今後は、主婦である妙子とは真逆な性格の持ち主でもある、女優の絹代としてのシーンも撮影予定。1人2役で、主婦と女優を若村がどのように演じ分けていくのか、期待が高まる。

ドラマを手掛ける鈴木吉弘プロデューサーは「若村麻由美さんに主演を引き受けていただけることになって、ご本人とお会いしていろいろお話をしまして、主婦と大女優という2役を演じていただくにあたって、多少セリフの言い回しや語尾などを変更して、脚本を書き直して新しい決定台本を作りました。物語全体については全く変わっていません」と、鈴木京香が体調不良を理由に降板したが、若村の主演でのストーリー変更はないとのこと。

また、“なりすまし”“1人2役”という今作の軸を成立させるために求めていたことについて、「“平凡な主婦”と“大女優”という2役だけではなく、“主婦がなりすました女優”という中間の一面もあり、とても多彩な表現が求められます。若村さんとご一緒させていただくのは今回が初めてなのですが、さまざまな作品を拝見していて、役柄ごとに見事に違いを演じ分けて表現されているので、この難しいキャラクターも面白く見せてくださると確信しています」と信頼を寄せる。

さらに、「今作は荒唐無稽なコメディーなのですが、主人公が異世界に飛び込んでしまって、純粋な目線だからこそ見えるその異世界の奇妙なことに気付き、それを“世直ししていく”という物語でもあります。これは、私たちの生きる社会の中のどこにでもあるような問題についても同じで、目を背けずに無関心にならずに、純粋な目線で見て、自分のできる範囲でできることから直していこうよ、というメッセージになればと思っています」と作品に込めた思いも明かす。

そして、「最初に企画があって、それにもっともふさわしいと思う方々をキャスティングさせていただき、その後にさらにキャラクター造形が“当て書き”という形になるように、脚本を修正していきました。これから発表させていただくキャストも含めて異次元の豪華さとなっていて、演技のぶつかり合いが楽しみです。それぞれの俳優の個性が生きる、“どのシーンを切り取っても面白い組み合わせ”のキャスティングになっていると思います」と確かな手応えを伝えている。

ある日、妙子の前に、西條隼人と名乗る者が現れる。それは女優である若菜の事務所関係者だった。西條は、週刊誌のスキャンダルがきっかけで、若菜が国外へ失踪してしまったことを伝え、その若菜の身代わりとしてスキャンダルの釈明会見に出席してほしいと妙子に頼む。というのも、妙子と若菜は顔だけでなく声までもがそっくりで、事務所関係者も認めるほどだったのだ。突拍子もない内容に妙子は断るが、身代わりを務めることで得られる高額な報酬が頭から離れない。後日、妙子は、西條らの説得と高額報酬につられ、会見に出席することに。会見当日、若菜が所属するプロダクションの社長・比嘉莉湖(木村佳乃)と、若菜の夫・水田夏雄(沢村一樹)と出会い、いよいよ会見本番を迎えるが――。

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