ニデック(旧日本電産)とルネサス、EVの「心臓部」で協業 成長市場リードへ

ニデックのロゴ

 モーター大手のニデック(旧日本電産)と、半導体大手ルネサスエレクトロニクスが、電気自動車(EV)の部品開発で手を組む。両社が5日、EVの駆動や制御を担う「eアクスル」の事業で協業を発表した。EVの基幹部品を巡っては世界で開発競争が激化している。新製品を素早く生み出し、成長市場をリードする考えだ。

 eアクスルは、モーターとギア(減速機)、電力を制御するインバーターで構成する複合機器で、EVの「心臓部」ともいわれる。ニデックは中国や欧州で生産工場を拡大している。

 ルネサスとは、次世代eアクスルの開発を目指す。具体的には、2023年末までにEV電池に電力供給する「オンボードチャージャー」などの部品を加えた新システムの実現に向け、共同開発に着手する。24年には電池を制御するバッテリー管理システム(BMS)を統合したシステムの実証にも乗り出す方針だ。

 ルネサスは、かつてニデック創業者の永守重信会長が買収に動いたが、当時大株主だった官民ファンドの産業革新機構から株式が取得できず、断念した経緯がある。

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